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青果卸業向け販売管理システムとは?機能・特徴・導入効果を徹底解説
販売管理

青果卸業向け販売管理システムとは?機能・特徴・導入効果を徹底解説

青果卸業界は鮮度の管理が欠かせない商品を扱うため、迅速かつ正確なオペレーションが求められます。一方で在庫や収支の管理は非常に複雑であり、取引先ごとに異なる販売単位や値決め、不定貫商品など他業種にはない独自の商慣習が存在します。

本記事では、こうした業務に対応する「青果卸業向け販売管理システム」の仕組みや特徴、導入による効果について詳しく解説します。

販売管理における主な課題


鮮度・賞味期限管理の難しさと廃棄ロスの発生


青果は入荷直後から鮮度が落ち始めるため、ロット管理が徹底されていない状態ではFEFO(期限順先出し)が適切に実施されず廃棄率が上昇します。これにより利益率が下がるだけでなく、取引先への納品遅延や信頼低下にもつながりかねません。


不定貫商品を含む販売・在庫管理の難しさ


青果は同商品でも重量やサイズが異なるものが多いため、数量だけでなく重量(kg・g)を基準にした在庫管理や販売価格の設定が必要ですが、管理が煩雑になりやすく帳簿上の在庫と実在庫に誤差が生じることがあります。


取引先ごとに異なる単位・荷姿への対応


青果卸業では販売単位(ケース・バラ・袋・重量など)や荷姿が取引先ごとに異なります。仕入はケース単位であっても、小売店にはバラで卸す場合もあれば、飲食店には数玉を袋詰めにして納品するといったケースも珍しくありません。こうした多様な販売単位は在庫管理だけでなく収支計算を複雑にする要因となっています。


「値決め」による原価管理の複雑化


青果卸業特有の商慣習として「値決め」があります。週単位や月単位で仕入価格が変動するため、同商品であっても仕入日やロットごとに原価が異なります。さらに売上計上後に原価を修正する「洗い替え」が発生するケースもあり、手作業による管理では計算ミスや不整合が避けられません。


需要変動による欠品・過剰在庫


青果需要は季節や天候、気温に左右されやすく販売時期を逃すと大きな損失につながります。逆に需要を過大に見積もれば廃棄や値引きが増え、利益を圧迫します。保存が効かない青果では過剰在庫は廃棄につながりやすく事業全体に悪影響を及ぼします。


紙伝票・Excel依存による業務停滞


青果卸業界では依然として紙伝票やExcelによる管理が多く、属人化やヒューマンエラーの温床となっています。転記の手間や記録漏れが発生するだけでなく、在庫や売上状況をリアルタイムに把握することができません。また、書類の保管や確認に時間がかかるため業務効率を下げる大きな要因となっています。

青果卸業向け販売管理システムとは?


  • 見積管理:取引先ごとの条件に応じた見積書を作成・管理
  • 受発注管理:取引先ごとの受注内容や発注データを正確に処理
  • 在庫管理:入出荷に連動した在庫数量の自動更新
  • 請求・入金管理:取引先ごとの請求書発行や入金消込を効率化
  • 売上・収支管理:日次・月次の売上や粗利を可視化
  • 顧客・取引先管理:基本情報や取引条件、取引履歴を一元管理


これら基本機能に加え、青果卸業特有の商慣習にも対応できるよう設計されているのが大きな特徴です。


特徴① 在庫・ロット・トレーサビリティ管理


青果の在庫管理は数量・重量の把握だけでなく、ロットごとに属性情報を踏まえた精緻な管理が求められます。


ロット登録と基本管理


入荷時に産地・規格・収穫日・賞味/消費期限などのロット情報を登録して、数量と品質の両面で管理します。


出荷と在庫管理


FEFOに基づき消費期限が近いロットを優先して出荷します。また、加工や小分けで荷姿が変わっても「親ロット」と「子ロット」を紐づけてトレーサビリティを保持します。


在庫変動への対応


廃棄・見切り・返品などの在庫変動が発生した場合は、在庫数の変更はもちろん原価計算にも反映されます。


トレーサビリティと安全性


リコールが発生した際は対象ロットをもとに、納品先や在庫を保管している倉庫のローケーション特定が可能です。



特徴② 不定貫・多単位管理


青果はケース単位で仕入を行いますが、販売単位は取引先や販売チャネルによって異なるため、不定貫商品を扱う際は「重量」と「数量」の同時管理が必須となります。


仕入時のシステム処理


入荷時に実測重量を登録して、その数値を基準単位として在庫(数量・重量)と原価を計上します。


在庫の統一管理


ケース単位で仕入れた商品でも、販売時には異なる単位(パック売り・バラ売り)で扱う場合があります。これらは全て入荷時の重量をもとに自動換算され、一元的に在庫を管理します。


加工・小分け時のコスト配分


仕入れた商品を袋・パックなどに小分けする際に、発生する歩留まりや副資材コストを原価に配賦して、実際原価を正確に管理します。


特徴③ クラウドによる拠点間データ共有


クラウド型の販売管理システムを活用することで、複数拠点を横断した一元管理が可能になります。


拠点・倉庫の連携


市場・支社・物流拠点の販売/在庫データをシステム上で一元的に管理します。3PL倉庫や外部委託先のデータもAPI(またはCSV)連携で集約可能です。


現場対応の強化


タブレットやスマートフォンから在庫状況や出荷指示を確認できるため、現場のオペレーション向上はもちろん、顧客先での対応も迅速かつ的確に行えます。


リスク対策と事業継続


日々のデータはサーバー上に自動的にバックアップされるため、万が一の災害やトラブルが発生しても、他拠点から業務を継続できます。


システム導入によるメリット


青果卸業向け販売管理システムを導入することで、現場の業務効率から顧客対応、さらには経営レベルでの利益改善まで多面的な効果が期待できます。


業務効率化と属人化解消


青果卸業の現場では紙伝票やExcelに依存した管理が多く、担当者の経験や勘に頼る属人化も大きな課題でした。システム導入により、仕入から在庫・販売・請求に至るまでの業務を一元的に管理することで業務を効率化・標準化できます。


在庫ロス削減と利益率改善


青果物は賞味期限が短く、適切に管理されない場合すぐに廃棄ロスにつながります。販売管理システムではロット単位で賞味期限を管理して、FEFOに基づきスムーズに出荷します。こうした徹底管理により廃棄や見切りを最小限に抑えます。


顧客満足度・サービス品質の向上


販売管理システムでは取引先ごとの受注データがすぐに検索できるため「以前と同じ条件で発注したい」といった要望にも即座に対応できます。さらに購買履歴を活用した提案営業にも活用できることから、サービス品質と顧客満足度の向上が期待できます。


売上・利益をリアルタイムに可視化


従来の管理方法では集計作業を月次・週次で行うため、リアルタイムに把握することが困難でした。販売管理システムでは日々の取引データから売上・仕入・粗利を可視化できるため、市場の動向分析や需要の変化に合わせた販売戦略の立案が可能です。

青果卸業をサポートするクラウドERP『キャムマックス』


青果卸業をサポートするクラウドERP『キャムマックス』


青果卸業では鮮度や相場の変動、多様な取引条件など、常に迅速で正確な対応が求められます。

クラウドERP「キャムマックス」は、在庫管理・販売管理・購買管理・生産管理・財務会計といった基幹業務を一元管理して、現場の効率化と経営判断の迅速化を支援します。これにより、複雑な商慣習を抱える青果卸業の実務を強力にサポートします。


販売管理機能


従来の管理方法では、受注から出荷、請求、入金管理までが分断され、転記作業によるミスや遅延も発生していました。キャムマックスの販売管理機能では、受注データをもとに在庫引当や出荷処理、納品書や請求書の作成までスムーズに行えます。

さらに、金融機関のFBデータを取り込むことで入金消込もスムーズに行えます。事務処理の負担やヒューマンエラーを大幅に減らし、日々の売上や入金状況をリアルタイムに把握できます。結果として資金繰りの安定化と迅速な経営判断が可能になります。



購買管理機能


従来はFAXや電話、メールで発注を行い、納期回答もバラバラに管理されるため、在庫や販売計画との整合がとれず、欠品や余剰在庫のリスクが高まっていました。

キャムマックスの購買管理機能では「データエクスポートマッピング」を活用することで、発注データを取引先のEDIフォーマット(CSVやXMLなど)に変換して、直接送信することが可能です。

これにより、仕入先との発注・納期情報をEDIを通じて連携できるため、やり取りの手間を大幅に削減できます。この仕組みにより調達業務のスピードと精度が向上します。需要に応じた数量を適時確保して、欠品やロスを防ぎながら安定した供給を実現します。


※キャムマックスのデータエクスポートマッピングについてはこちら


在庫管理機能


青果卸業の在庫管理では単品やケース商品に加えて、不定貫商品の重量管理、さらには賞味期限やロット管理が必須です。

キャムマックスの在庫管理機能では、入荷時にロット番号や賞味期限を登録することで「FEFO」に基づく期限順出荷をスムーズに行えます。バーコードリーダーやハンディターミナルにも対応しているため、入出荷や棚卸といった現場作業を効率化できます。また、加工時に発生する歩留まりや副資材コストを原価に反映できるため、実態に即した収支管理を実現します。

この記事を書いた人

ライター
株式会社キャム 取締役COO

下川 貴一朗

証券会社、外資・内資系コンサルティングファーム、プライベート・エクイティ・ファンドを経て、2020年10月より取締役CFOとして参画。 マーケティング・営業活動強化のため新たにマーケティング部門を設立し、自ら責任者として精力的に活動している。

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