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米穀卸売向け販売管理システムとは?在庫管理を起点に業務を一元化する仕組み
販売管理

米穀卸売向け販売管理システムとは?在庫管理を起点に業務を一元化する仕組み

米穀卸売業は、全国各地の農家やJAなどから玄米を仕入れ、精米加工を行い、小売店、飲食店、食品加工業者などへ供給する流通と製造の両面を合わせ持つ業態です。仕入から加工、販売にいたるまで多面的な業務管理が求められ、これらを一元的に運用する「販売管理システム」の導入が進んでいます。

本記事では米穀卸売業の業務構造を整理した上で、販売管理システムについて詳しく解説します。

米穀卸売業の特徴

米穀卸売業では、仕入・生産・販売の各工程が連動しており、以下のような複雑な管理が求められます。

  • 搗精処理と生産管理

搗精(とうせい)処理※をはじめ、包装、出荷まで、各工程を踏まえた管理が求められます。
※搗精とは、玄米を精米する作業を指します。玄米重量の約90%が白米、約10%が糠(ぬか)などの副産物となります。

  • 品質 / 属性による管理

同じ「コシヒカリ」でも、産地・収穫年・等級によって品質や取引価格が異なるため、これらの属性を正確に把握・管理する必要があります。

  • ロット管理とトレーサビリティ

安全性の観点から、玄米や精米ごとのロット管理が求められます。これにより品質不良が発生した際、即座に流通経路を特定できます。

・帳票・証明書への対応

納品書、検査証明書、産地証明書など、得意先や用途に応じた帳票の出力・管理が不可欠です。

なぜ販売管理システムが求められるのか?

従来の紙や表計算ソフトによる運用では、以下のような課題があります。

情報の分断と重複入力

受注、在庫引当、出荷指示、請求といった工程が一元管理できず、部門間の連携が滞り、転記ミスが発生しやすい。

業務の属人化

特定の担当者しか業務フローを把握できておらず、担当者の不在時や引き継ぎ時に業務が停滞する。

トレーサビリティ対応の限界

ロット管理を紙の台帳で行っている場合、問題発生時の追跡に時間がかかり、迅速な対応が困難になる。

経営データの可視化不足

粗利・歩留・在庫状況などをリアルタイムで確認できず、月次決算を待たないと経営判断に必要なデータが揃わない。

こうした課題を解決して、業務フローの改善と情報精度の向上を図るには、販売管理システムの導入が不可欠となります。

米穀卸売向け販売管理システムでできること

① 受注~出荷・請求までの一元管理

米穀卸売業では、得意先ごとに異なる契約条件、出荷単位、納品書形式などに対応しながら、受注・出荷・請求といった一連の業務を正確に処理する必要があります。販売管理システムを導入することで、以下のような業務管理が可能となります。

  • 受注・出荷・請求までの業務フロー管理
  • 契約単価・納品条件に関する得意先ごとのマスタ管理
  • 受注時の在庫自動引当
  • 出荷指示 / 配送ルート管理
  • 納品書や請求書など各種帳票出力

受注情報を起点に、在庫引当、出荷指示、帳票出力、請求処理といった各工程が連動し、情報が部門間でリアルタイムに共有されます。これにより、確認作業や転記が不要になり、業務全体の効率化とヒューマンエラーを削減します。

② ロット別・品質別の在庫管理

在庫管理においては、複数の倉庫や保管タンクに分散した在庫を正確に把握する必要があります。販売管理システムを導入することで、以下のような高度な在庫管理が可能になります。

  • ロット別・倉庫別の在庫状況の把握
  • 年産・品種・等級などの属性管理
  • 搗精工程での在庫変動の記録 (玄米・精米・副産物)
  • 古米や滞留在庫の早期検出
  • 在庫の振替・統合処理 (詰替処理)


在庫を一元的に管理できることで、欠品や過剰在庫を防ぎながら、品質基準に適合した運用を実現します。これにより、在庫状況に基づく販売活動や、効率的な出荷計画の立案が可能になります。

③ トレーサビリティ対応

食品を扱う事業者には、トレーサビリティの整備が求められています。米穀卸売業においても、仕入れた玄米から精米・出荷まで、ロット単位での追跡(トレース管理)が不可欠です。
販売管理システムを導入することで、以下のような管理が可能になります。

  • 玄米→精米→出荷までのロット別追跡
  • 出荷商品から仕入元となる玄米への遡及 (逆トレース)
  • 玄米張込(※)・搗精・包装など各工程の履歴記録
  • 検査証明書などの関連書類の管理

※張込:精米の第一段階として、仕入れた玄米をタンクに投入すること。

食品事故発生時には原因と影響範囲を速やかに特定でき、監査時にも必要なデータを即座に提示できます。

④ 経営判断に必要なデータの可視化

日々の業務で蓄積される受注、出荷、仕入、在庫、加工実績といったデータを活用することで、経営判断に必要な情報を可視化できます。

販売管理システムを導入することで、以下のような管理・分析が可能になります。

  • 得意先別 / 商品別の売上・利益管理
  • 搗精による歩留率の把握と商品別原価計算
  • 販売実績に基づく需要予測

各工程で記録されたデータが自動的に集計され、売上構成、在庫状況、利益率などの経営指標をリアルタイムで確認できます。これにより、原価の正確な把握や、歩留の改善、在庫ロスの削減など、データに基づく経営判断が可能になります。

その他の特徴的な機能

搗精管理

搗精は米穀卸売業の中核となる加工工程です。販売管理システムでは、原料(玄米)の投入から生産量、歩留率までを一元的に管理します。

  • 搗精工程の可視化

玄米ロットごとに、投入タンク・投入量・生産量を記録します。複数ロットを混合した場合も追跡可能です。

  • 歩留率の自動計算

投入した玄米重量と生産された精米重量から、歩留率(変換効率)を自動計算し、ロスや生産効率を可視化します。

  • FA連携によるデータ取り込み

精米機や計量機器と連動して、稼働データや生産実績を自動的に収集・管理します。

※FA(Factory Automation):工場の生産工程を自動化した設備・システムの総称。

搗精データを蓄積できるため、生産計画の最適化や原価計算の精度向上が実現します。副産物(糠など)の発生量も自動記録され、販売や原価配分に活用できます。

副産物・包材管理

搗精工程では副産物(糠・砕米)が発生します。また、商品を出荷する際には紙袋やラベルなどの包材が必要です。これらも生産コストに直結するため適切な管理が求められます。

  • 副産物の在庫 / 販売管理

飼料・肥料メーカーや食品加工業者に向けて販売する際も、一般商品と同様に管理が可能です。

  • 包材の在庫管理

出荷に必要な包材を管理します。生産計画をもとに使用する包材を紐づけ、欠品を防止します。

副産物や包材を含めた管理により、販売機会の損失や出荷遅延を防ぎ、安定した業務運営を実現します。

販売管理システムの導入メリット

米穀卸売業において、販売管理システムを導入することは業務のデジタル化や、現場オペレーションの改善にとどまりません。

以下では、主な導入メリットについて詳しく解説します。

粗利・歩留・原価の可視化

玄米ロット別の搗精実績、精米商品別の包材使用量・配送条件などを自動的に取り込み、加工実績に基づく原価計算をリアルタイムで行えます。これにより、商品別・ロット別の粗利や原価が正確に把握できます。こうした可視化は、価格戦略や生産計画といった経営判断の質を高める重要な基盤となります。

在庫最適化と滞留在庫の削減

古米から優先的に出荷するなど、先入先出による計画的な在庫運用が可能です。また、拠点ごとの在庫も一元的に管理できるため、過剰在庫によるキャッシュフローの悪化を防ぎ、販売機会の最大化を実現します。

業務効率化と生産性向上

受注情報を起点に出荷・請求・帳票出力までの一連の処理にかかる入力工数が大幅に削減されます。業務が可視化・標準化されることで属人化やヒューマンエラーを抑制できます。限られた人材を高付加価値業務に配分することで、組織全体の生産性が向上します。

米穀卸売業の販売管理や在庫・倉庫管理もおまかせ!クラウドERP『キャムマックス』

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クラウドERP「キャムマックス」は、販売管理や在庫・倉庫管理を中心に、購買管理、生産管理、財務会計までを一元管理することで、部門間の連携をスムーズに行います。

また、倉庫管理システム(WMS)とのAPI連携に対応しており、外部委託倉庫の在庫管理も可能です。社内外を横断した情報共有により、スピードと正確性を両立した業務運用を支援します。

この記事を書いた人

ライター
株式会社キャム 取締役COO

下川 貴一朗

証券会社、外資・内資系コンサルティングファーム、プライベート・エクイティ・ファンドを経て、2020年10月より取締役CFOとして参画。 マーケティング・営業活動強化のため新たにマーケティング部門を設立し、自ら責任者として精力的に活動している。

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