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紙卸売業向け販売管理システムとは?複雑な在庫管理と属人化を解消する最適解
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紙卸売業向け販売管理システムとは?複雑な在庫管理と属人化を解消する最適解

紙卸売業は、印刷用紙を中心としたさまざまな紙製品を取り扱い、主に印刷業者、製本業者、出版社などへ供給する役割を担っています。一見すると一般的な卸売業のようですが、実際の業務には紙業界特有の慣習や管理項目が数多く存在し、それらが業務の複雑性を高めています。

本記事では、紙卸売業における業務特性や、それを支える販売管理システムの仕組みについて詳しく解説します。業務効率化やDX化をご検討されている企業様は、ぜひご覧ください。

紙卸売業界の業務特性

寸法・連量・流れ目・断裁加工を用いた取引

紙卸売業の取引において大きな特徴となるのが、寸法、連量、断裁加工といった複数の要素を前提に取引が行われる点です。

寸法

紙の大きさを表す規格で、四六判(788×1091mm)、菊判(636×939mm)などの標準寸法があります。受注時には、これらの原紙寸法から断裁後のサイズを計算する必要があります。

連量

紙1,000枚あたりの重量(kg)を指す単位であり、厚みによって重量が異なるため、商品仕様を表すものとして用いられます。

※例えば、四六判の上質紙には、55kg・73kg・90kgなどの種類があります。

流れ目

紙の繊維方向を指します。T目(縦目)・Y目(横目)の2種類があり、製本時の開きやすさや紙の反りにくさに影響するため、用途に応じて適切な流れ目を選定する必要があります。

断裁加工

受注の段階で断裁加工が必要なケースも多く、断裁サイズ・取り数(1枚の原紙から何枚取れるか)・断裁単価などの管理が求められます。

紙卸売業では、通常の品番や数量だけでは取引が完結せず、上記のような情報を組み合わせて管理する必要があります。

預り在庫などの特殊な在庫形態

紙卸売業では、所有権や加工状態によって複数の在庫区分が存在します。

預り在庫 (得意先預り)

得意先が所有する在庫を自社倉庫で保管し、必要に応じて出荷する形態です。所有権は得意先にあるため、自社の販売用在庫とは区別して管理する必要があります。

加工状態による区分

在庫の一部は加工前提であることから、加工状態による区分管理も必要です。原紙のまま保管する「未加工在庫」と、指定サイズに断裁済みの「加工済在庫」に分けて管理します。

このように、紙卸売業では所有区分や加工状態を含めた多面的な在庫管理が求められます。

多様な取引条件

紙卸売業では、得意先ごとに異なる取引条件への対応が求められるのも大きな特徴です。

複雑な価格体系

基本単価に加え、得意先ごとの掛率、数量に応じた価格調整、さらに配送費や断裁加工費などの付帯費用が組み合わさるため、最終的な販売価格の算出は非常に複雑です。

個別の帳票フォーマット対応

得意先ごとに「納品書」「請求書」「出荷明細書」などのフォーマットや記載項目の要望がある場合も多く、帳票出力の柔軟性が求められます。

納入・支払条件

荷姿(平判・巻取など)、配送形態(分納、加工先への直送など)、支払条件、月次の締日処理など、さまざまな要件に対応する必要があります。

こうした条件の多くは長年の取引関係の中で形成されたもので、暗黙知として現場に定着しています。その結果、担当者の経験や記憶に依存した運用になりやすく、属人化や引き継ぎリスクが高まります。

紙卸売業向け販売管理システム

業界特性に対応するには、業界固有の要件に応じた専用システムの導入が不可欠です。以下では、システムの主要機能について詳しく解説します。

機能① 受注管理

受注管理は、得意先からの注文内容を受け付け、商品・数量・納期・価格などの取引条件を確定する工程です。

【受注データの項目】

  • 得意先情報:顧客名、納品先、請求先  
  • 商品情報:銘柄、連量(判型・kg)、寸法  
  • 加工情報:断裁の有無、断裁サイズ  
  • 数量 / 単位:連・枚などの数量単位  
  • 納品条件:納品先、納品日時、配送形態  
  • 価格情報:単価、断裁費、配送費


確定した内容はデータ化され、出荷や請求などの後工程へ引き継がれます。

機能② 出荷・売上管理

出荷・売上管理は、受注内容に基づいて出荷を行い、売上として確定する工程です。

【受注と出荷パターン】

  • 分納対応:複数回に分けて納品  
  • 部分出荷:在庫状況により一部のみ先行出荷  
  • 追加出荷:顧客からの追加注文に対応して出荷


受注が一度の出荷で完結しないケースもあるため、受注情報と出荷実績を紐づけて管理し、出荷ごとに売上を計上します。

【断裁・加工を伴う取引の管理】

受注時は「連」単位、出荷時は「枚数」単位というように、断裁や加工を伴う場合は管理単位が変わります。

【例】

受注:四六判 90kg・10連(連単位で受注)  

 ↓ A4サイズに断裁加工  

出荷:A4サイズ(枚数単位で出荷)

このような場合でも、システムは受注時の条件を保持したまま出荷実績を反映します。

機能③ 在庫管理

在庫管理は業務全体を支える中核的な機能です。紙は同一銘柄であっても、連量や寸法、断裁の状態などの属性ごとに細かく区別して管理する必要があります。

【在庫の管理属性】

紙の在庫は、以下の属性で細かく区別して管理されます。

  • 銘柄:メーカー、商品ブランド  
  • 連量:判型とkgの組み合わせ(例:四六判 90kg)  
  • 寸法:全判、断裁サイズ  
  • 流れ目:T目・Y目

例えば「コート紙 四六判 90kg」と「コート紙 四六判 110kg」は別在庫として管理され、受注内容に対して正確に引当を行います。

【所有区分・加工状態の管理】

紙卸売業では、所有権が異なる在庫や加工状態を区別して管理する必要があります。

  • 自社在庫:通常の販売用在庫  
  • 預り在庫:得意先からの委託在庫 
  • 未加工 / 加工済:原紙のまま保管、断裁済といった加工状態の区別

これらを区別することで、正確な在庫状況を把握・管理します。

機能④ 発注・仕入管理

紙卸売業では、製紙メーカーからの調達リードタイムを考慮しながら、定期補充と都度発注を行う必要があります。

【発注パターン】

  • 定期補充発注:在庫水準を維持するための発注  
  • 都度発注:得意先からの受注に合わせて仕入先に発注

【発注データの項目】

  • 仕入先:製紙メーカー、商社など  
  • 商品情報:銘柄、連量、寸法  
  • 数量:連単位  
  • 納期:希望納入日  
  • 納入先:自社倉庫、加工先、得意先(直送の場合)

発注した商品が入荷した際は、発注内容との照合・検収を行い、在庫データに反映します。

機能⑤ 請求・支払管理

請求・支払管理は、得意先への請求と仕入先への支払を行う機能です。紙卸売業では、取引条件が多様なため正確な処理が求められます。

【請求管理】

  • 請求金額の集計:出荷・売上実績をもとに請求金額を算出  
  • 締処理:得意先ごとの締日に基づいて売掛金を確定  
  • 請求書発行:取引条件を反映した請求書を作成

【支払管理】

  • 買掛金の集計:仕入実績をもとに買掛金を算出  
  • 支払サイトの管理:仕入先ごとの支払条件を管理 
  • 支払実績:支払データと買掛金を突合し、未払い残高を管理

これにより、複雑な取引条件であっても、請求と支払を正確かつ効率的に管理できます。

機能⑥ 実績・利益管理

実績・利益管理は、売上と利益を多角的に分析する機能です。銘柄や連量、寸法によって原価構成が変わるため、売上だけでなく利益も含めた管理が求められます。

【実績の集計軸】

  • 得意先別:顧客ごとの売上・利益を把握  
  • 商品別:銘柄・連量ごとの販売実績を分析  
  • 案件別:個別取引ごとの利益率を確認  
  • 期間別:月次・四半期・年次での推移を追跡

【利益計算の内訳】

  • 仕入原価:メーカーからの仕入価格(連量・数量によって変動)  
  • 加工費:断裁、外注加工費  
  • 物流費:配送費、倉庫保管費  
  • 販売価格:得意先ごとの単価設定、数量割引

システムでは、これらのコストを案件ごとに紐づけて管理し、利益を算出します。

外部システムとの連携

販売管理システムは、外部連携により業務効率をさらに高めることができます。以下では、主な連携機能を解説します。

EDI / Web-EDI連携

EDI(Electronic Data Interchange)やWeb-EDIと連携することで、取引先とのデータ交換を自動化できます。CSVやXMLなどの構造化データで受注情報を受け取り、システムに自動取込できるため、手入力や転記作業が不要になります。これにより、FAX・電話・メールに依存した従来の運用から脱却し、業務スピードと正確性を向上できます。

※詳しくは「EDIとは? Web-EDIの違いや仕組み、導入メリットをわかりやすく解説」の記事をご覧ください。

OCR / AI-OCR連携

OCR(Optical Character Recognition:光学文字認識) / AI-OCR連携により、FAXやメールで届く注文書からデータを自動抽出できます。得意先名、商品情報、数量、納期などの情報を読み取り、担当者が確認・修正した上で受注データとして確定します。手入力の手間を削減して、注文受付から出荷指示までのリードタイムを短縮します。

会計システム連携

会計システムと連携することで、売上・仕入・入金・支払などの取引データから仕訳を自動起票できます。経理担当者の入力作業が削減されるだけでなく、転記ミスの防止やリアルタイムの財務データ更新が可能になり、月次決算の早期化にも貢献します。

倉庫管理システム(WMS)連携

倉庫管理システムと連携することで、自社倉庫だけでなく外部委託倉庫の在庫も一元管理でき、受注時の在庫引当や出荷指示を統合的に行えます。倉庫内での入出庫・棚卸データがリアルタイムで反映されるため、正確な在庫把握と迅速な出荷対応が可能になります。

※詳しくは「倉庫管理システム(WMS)の導入メリットと主要機能を徹底解説!在庫管理からDX推進まで」の記事をご覧ください。

システム導入のメリット

業務の標準化と属人化の解消

これまで担当者の経験と勘に頼っていた単価設定や在庫引当などの処理をシステム化することで、業務の属人化を解消できます。商品情報や取引条件をマスタ管理することで業務が標準化され、担当者の退職や異動による影響を最小限に抑えられます。

ヒューマンエラーの削減

システムによる自動計算により、連量×単価の計算、断裁サイズごとの価格算出、端数処理など、紙卸売業特有の煩雑な計算ミスを防止できます。また、マスタ登録された商品や得意先を選択することで誤入力を削減し、データの自動取込により転記作業が不要になるため、入力ミスを防止できます。

データ連携による処理の効率化

受注→在庫引当→出荷→請求までの流れが、システム内でデータ連携されているため、スムーズに処理できます。また、出荷伝票や請求書などの帳票を自動発行できるため、従来は月末に集中していた請求処理の負荷を大幅に削減できます。

顧客対応の向上

リアルタイムで在庫や納期状況が把握できるため、得意先からの問合わせにもスピーディーかつ正確に回答できます。また、得意先ごとの帳票様式や出荷条件などの個別要望も、マスタ登録により自動的に対応できるため、柔軟な顧客対応が可能になります。

経営判断の精度向上

主力商品、不採算取引、滞留在庫などを商品別・得意先別・部門別に分析できるため、経営課題を早期に発見できます。これまで経験則や勘に頼っていた意思決定を、正確なデータに基づいて行えるようになり、取引条件の見直しや在庫調整など、継続的な改善を進められます。

紙卸売業をサポートするクラウドERP『キャムマックス』

紙卸売業をサポートするクラウドERP『キャムマックス』

連量・寸法・断裁など多様な商品属性、預り在庫や委託在庫など特殊な在庫区分、得意先ごとに異なる契約条件や帳票仕様―。紙卸売業には、こうした複雑な業務要件に対応したシステムが求められます。                                 

クラウドERP「キャムマックス」は、在庫・倉庫管理、販売管理、購買管理、生産管理、財務会計といった基幹業務を一元管理して、現場の効率化と経営判断の迅速化を支援します。

主な機能と特徴

在庫・倉庫管理

商品属性や所有区分、加工状態など、複雑な在庫を一元管理できます。バーコードリーダーを活用した入出荷・検品・棚卸作業にも対応し、業務の効率化とタイムラグの削減を実現します。

販売管理

受注→出荷→請求までを一気通貫で管理します。また、Web-EDIを活用することで、得意先からの注文をオンラインで受け付け、受注データの登録を自動化できます。

生産管理

受注に応じた断裁指示、外注加工の依頼と進捗管理に対応します。APIによる外部システムとのデータ連携により、既存システムと組み合わせた柔軟な運用が可能です。

「キャムマックス」はクラウド環境で提供されており、部門間・拠点間での情報共有や、経営陣によるリアルタイムの経営状況の把握が可能です。属人化の解消、業務標準化、在庫最適化、納期対応力の向上など、紙卸売業が抱える業務課題を根本から解決するERPとして多くの企業に選ばれています。

この記事を書いた人

ライター
株式会社キャム 取締役COO

下川 貴一朗

証券会社、外資・内資系コンサルティングファーム、プライベート・エクイティ・ファンドを経て、2020年10月より取締役CFOとして参画。 マーケティング・営業活動強化のため新たにマーケティング部門を設立し、自ら責任者として精力的に活動している。

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