Web-EDIとは?仕組みや導入メリットを初心者にもわかりやすく解説
「EDI」という言葉を聞いたことはあるけれど、Web-EDIとの違いや仕組みがよくわからない…そんな方も多いのではないでしょうか。
Web-EDIは、従来の専用回線を使うEDIをインターネット上で利用できる仕組みのことで、導入することでコスト削減や取引業務の効率化が実現します。
本記事では、Web-EDIの基本的な仕組み、従来型EDIとの違い、導入によるメリットや注意点を初心者にもわかりやすく解説します。さらに、導入にかかる費用やおすすめのシステム情報もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
Web-EDIとは?従来型EDIとの違いを初心者向けに解説
Web-EDIは、インターネットを活用して企業間の取引データをやり取りする仕組みです。ここでは、そもそもEDIとは何か、従来型EDIとの違いを初心者でもわかりやすく解説します。
EDIとは何か?基本をおさらい
EDI(Electronic Data Interchange)は、企業間の取引データを電子的に交換する仕組みです。従来、注文書や納品書はFAXや郵送でやり取りしていましたが、EDIではシステムを通じてデータを送受信できるため、作業効率が飛躍的に向上します。
Web-EDIとは?従来型との違い
従来のEDIは専用回線や専用端末が必要で、初期費用や維持費が高額でした。
これに対し、Web-EDIはインターネットを活用するため、専用設備が不要で、ブラウザさえあれば利用可能です。そのため、コストを抑えて導入できる点が最大の魅力です。
Web-EDIを導入する4つのメリット
Web-EDIを導入することで得られるメリットは非常に多く、特にコスト削減や業務効率化は大きなポイントです。ここでは代表的な4つのメリットをご紹介します。
専用回線不要でコスト削減
従来型EDIに必要だった専用回線や専用端末は不要です。クラウドサービスを利用すれば、初期費用も月額利用料も抑えられるため、中小企業でも導入しやすいのが特徴です。
業務効率化とペーパーレス化
注文書や納品書を紙でやり取りする手間がなくなり、発注から請求まで一括でデジタル管理できます。ペーパーレス化により、保管スペースや印刷コストも削減できます。
導入ハードルが低い
Web-EDIは特別なシステム構築が不要で、すぐに導入できる点が魅力です。インターネットとPCさえあれば、ブラウザから簡単に操作できます。
セキュリティ強化とデータ標準化
データの暗号化やアクセス制御など、クラウドサービスならではのセキュリティ対策が整っており、機密情報も安全に管理可能です。
Web-EDI導入のデメリットと注意点
便利なWeb-EDIですが、導入前に理解しておくべき注意点もあります。ここでは代表的なデメリットを紹介します。
これだけメリットの多いWeb-EDIシステムですが、やはりネックとなる問題もあります。
ある程度優れたネット環境が必要
Web-EDIシステム導入の基本中の基本は、インターネット環境があることですが、さらに言えば、ネットのスピードや使用範囲、セキュリティがしっかりしていなければ運用が難しくなります。
インターネットの接続が頻繁に途切れる、セキュリティが弱いとなると、システムとして使い物になりません。
自社で使用している他システムとの連携が不可欠
そもそもWeb-EDIシステムは「電子的なデータのやり取り」を行うものですから、日頃使用している業務管理ソフトやシステムとの連携が行われて初めて存在意義が生まれます。
Web-EDIシステムに帳票や書類の作成機能が付いている場合もありますが、導入の際はどこまでの範囲を担うのか、連携は可能なのかをチェックしてください。
取引先の同意が必要
自社の導入環境が整っていたとしても、「取引先で電子的なデータのやり取りを行いたくない」と言われれば、一方通行になってしまいます。
Web-EDIシステムはあくまでやり取りの手段ですから、相手が同じ方法を導入してくれなければ成立しません。
通信プロトコルの対応が必要
さらに、取引先の同意があったとして、問題になるのは通信プロトコルです。
今のところWeb-EDIシステムは標準化されておらず、それぞれが異なる通信プロトコルを使用しているのです。
取引先とお互いに、通信プロトコルを確認し合って導入する必要があります。
Web-EDIにはどんな機能がある?主な機能をわかりやすく紹介
Web-EDIは単にデータを送受信するだけでなく、取引業務全体を効率化する多彩な機能を備えています。ここでは、代表的な機能を初心者にもわかりやすく解説します。
受発注データの送受信
Web-EDIの基本機能は、発注書や受注データの電子送受信です。従来のFAXや郵送に比べ、データは即時に相手先へ届き、確認作業や承認のスピードが格段にアップします。また、入力の手間を減らす自動反映機能により、二重入力や入力ミスを防止できます。
納期管理とステータス確認
Web-EDIでは、発注した商品の納期や進捗をリアルタイムで確認できます。従来のように電話やメールで問い合わせる必要がなく、納品遅延のリスクを事前に把握し、取引の信頼性を高めることが可能です。
取引履歴の一元管理
過去の発注データや受注履歴をすべてシステム上で管理できます。必要な情報をすぐに検索できるため、棚卸や監査時の確認作業が大幅に簡素化します。さらに、データを分析することで、発注の最適化や仕入れコスト削減にもつながります。
帳票の電子化と自動生成
Web-EDIを使えば、発注書・納品書・請求書などの帳票を自動で作成し、電子データとして管理できます。紙の帳票を印刷・郵送する必要がなく、ペーパーレス化によるコスト削減と業務スピードの向上を実現します。
会計・販売管理システムとの連携
多くのWeb-EDIは、販売管理や会計システムとAPI連携が可能です。これにより、発注データが自動で会計システムに反映され、仕訳や請求処理の手間を削減できます。バックオフィス業務の一元管理が可能になり、企業全体の生産性が向上します。
Web-EDIにかかる費用の目安
Web-EDIの導入コストは、利用形態(クラウド型かオンプレミス型か)や利用規模によって大きく異なります。ここでは、初心者にもわかりやすく、主な費用項目とその目安を解説します。
初期費用
Web-EDIを導入する際に必要な初期費用は、クラウド型であればほとんどかかりません。
初期費用0円〜10万円程度が一般的で、導入サポートや設定費用が含まれる場合があります。一方、オンプレミス型では自社サーバーの構築や専用ソフトの導入が必要なため、数百万円規模になるケースも少なくありません。
月額利用料(クラウド型)
クラウド型Web-EDIの月額費用は、1万円〜5万円程度が相場です。料金は、利用できる機能やユーザー数、取引量によって変動します。中小企業であれば、月額1万円台のライトプランで十分対応できることもあります。
保守・運用コスト(オンプレミス型)
オンプレミス型の場合、初期導入後もサーバー保守やシステム運用のためのコストが発生します。年間で数十万円〜100万円以上かかることもあり、クラウド型と比較するとランニングコストが高額になりやすいのが特徴です。
オプション費用や追加カスタマイズ
Web-EDIには、帳票カスタマイズや他システムとのAPI連携などのオプション機能が提供される場合があります。
追加機能を利用する場合、月額数千円〜数万円程度のオプション料金が発生することもあるため、事前に確認しておくことが重要です。
Web-EDIに対応したおすすめシステムを機能・価格・導入ポイントから徹底比較
Web-EDIシステムには、データとの連携もネット上で行われるクラウド型とファイル作成は自社で行い、サーバにアップするファイル転送型があります。ここでは、どちらもあわせてご紹介します。
キャムマックス
キャムマックスは、Web-EDIとしてそのまま使用できる基幹業務システムです。Web-EDIシステム導入時は、元々使用している業務システムや会計システムと連携させることができるかどうかがポイントにもなるため、これらすべてをまとめてあるキャムマックスは連携の手間や心配もありません。
価格 | 初期費用 一律10万円 月額利用料 基本料金7万円+ライセンス利用料2万円(1ライセンス) ※1ライセンスにつき5アカウント分のID発行 オプション利用の場合オプション費用 |
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基本機能 | 販売管理、購買管理、在庫管理、財務会計 ECカート・モール・WMS・POSなどとの連携 |
EdiGate/POST
EdiGate/POSTは、クラウド型の「WEBーEDI」サービスです。見積依頼書、注文書、納品書、検収一覧表などを電子化(PDF化など)してセキュリティ対策を施した上で自動配信が行えます。
価格 | 要問合せ |
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基本機能 | 帳票作成、配布状況確認 マスタ管理、お知らせ通知メール |
らくうけーる
らくうけーるは、食にかかわる卸・小売業、飲食店の受発注にに特化したクラウド型のEDIシステムです。従来のFAXで使用するEDI機能もありますが、Web-EDIも可能です。月額費用は、担当者の数や取引先の数で異なります。
価格 | 基本料金 月額20,000円 FAX送信料金 @10円/枚 担当者ID料金 月額2,000円/ID 得意先・店舗ID料金 ID×99個までの場合 月額600円/ID ID×100個以上の場合 月額100円/ID |
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基本機能 | 入荷案内作成・配信(FAX、Web) 受注入力・照会 注文書・ピッキングリスト印刷 データ連携(入荷案内、受注、マスタ) マスタ管理 |
Biware EDI Station 2
Biware EDI Station 2は、Web-EDIから従来型EDIまで一元管理対応のB2B統合サーバーです。クラウド型ではないため、導入にあたってインストールが必要です。費用は対応する通信手段の種類によって異なります。
価格 | Standard(全銀/JCA)632,500円 (JCA、全銀、全銀TCP/IP) Standard(流通EDI)632,500円(EDIINT AS2、ebXML MS 2.0、JX) Standard 920,000円(EDIINT AS2、ebXML MS 2.0、JX、JCA、全銀、全銀TCP/IP) Professional 1,150,000円(通信手段ごとにオプション費用追加) |
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基本機能 | FTP送受信(クライアント)、メッセージ変換、データソート ワークフロー作成、リモートメンテナンス |
Web-EDIを利用するならキャムマックスがおすすめ!
Web-EDIの導入は、発注や受注の効率化を実現するための重要なステップです。
しかし、取引業務の一部だけをデジタル化しても、バックオフィス全体の非効率さは残ってしまいます。そこでおすすめなのが、Web-EDI機能を標準搭載したクラウドERP「キャムマックス」です。
キャムマックスは、Web-EDIによる受発注データのやり取りだけでなく、販売管理、在庫管理、購買管理、会計管理までを一元化できる統合型システムです。これにより、部門間での情報共有がスムーズになり、「発注管理+在庫同期+請求処理」を一つのプラットフォームで完結できます。
さらに、クラウド型サービスのため、初期投資を抑えつつ、複数拠点やリモートワークにも対応可能です。API連携機能も豊富で、ECモールや販売チャネルとの接続も柔軟に行えます。
Web-EDIの導入を検討している企業は、ぜひキャムマックスを選択肢に加えてください。単なるEDIシステムではなく、業務全体の効率化を実現する真のDXツールとして、あなたの企業の成長を強力にサポートします。
この記事を書いた人
下川 貴一朗
証券会社、外資・内資系コンサルティングファーム、プライベート・エクイティ・ファンドを経て、2020年10月より取締役CFOとして参画。 マーケティング・営業活動強化のため新たにマーケティング部門を設立し、自ら責任者として精力的に活動している。