ERPとCRMの違いとは?それぞれのシステムについて徹底解説
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ERPとCRMの違いとは?それぞれのシステムについて徹底解説

ERPとCRMは、それぞれ言葉の持つ意味とシステムを表す意味の2種類があります。
システムに関してERPは「統合基幹業務システム」、CRMは「顧客関係管理システム」を意味します。

これらにどのような違いがあるのか、目的やシステムの機能について解説します。

ERPとCRMの違いとは?



ERPやCRMという言葉を目にするものの、違いがよくわからないという方も多いのが現状です。SCMやSFA、MAという言葉もERPやCRMとの違いを混同しがちなので、こちらもあわせて言葉の意味を詳しく解説します。


ERP(統合基幹業務システム)とは?


ERPとは英語の「Enterprise Resources Planning」の頭文字をとった用語で、日本語では「経営資源計画」を意味します。

ただビジネスの現場ではこの用語の意味以外に、ERPを「統合基幹業務システム」というようにシステムの呼び名として使うことが増えています。


ERPシステムは、人・モノ・金といった企業の資源を別々に管理していたシステムをひとまとめにして有効活用しようというもので、販売管理・購買管理・在庫管理・財務会計といったシステムを可視化して一元管理できるのが特徴です。


CRM(顧客関係管理)とは?


CRMとは、英語の「Customer Relationship Management」の頭文字をとった用語で、「顧客関係管理」を意味します。

CRMシステムやCRMツールは見込客や既存の顧客情報を追跡し、顧客満足度を上げるための管理手段として使用されます。


ERPが経営寄りなのに対し、CRMはマーケティング寄りの管理にあたります。

したがって、CRMがERPに含まれることもありますし、連携して使うこともあります。


それぞれの目的と役割


ERPとCRMは、企業の運営改善においてそれぞれ異なる側面に焦点を当てたシステムで、それぞれ独自の目的と役割を果たします。

ERPは主に企業内部の様々なデータを一元管理し、業務の最適化と効率向上をサポートするためのもので、これに対してCRMは企業と顧客との関係を強化する役割があります。


導入する企業の特性


ERPは主に中小企業から大企業向けで、在庫管理、販売管理など管理部署がわかれている場合など、データを効率的に統合・管理する必要のある企業に適しています。

一方、CRMは顧客との関係を重視する企業に対して、BtoB・BtoC問わず、顧客データの収集と分析を容易に明確化することができるので、マーケティングなどに力をいれている全ての企業に有効です。


社内の最適化を促進


ERPは社内のあらゆるデータを一元化することにより業務が効率化でき、生産性向上とコスト削減に繋がります。

また、CRMは顧客情報の集中管理と顧客対応の迅速化を可能にし、顧客満足度の向上と売上アップに繋がります。

この2つのシステムを活用することで、企業としての成長をより加速させます。


その他の似ている用語


SCMとは?


ERPとの違いという点では、SCMという言葉もよく登場します。

SCMとは、英語の「Supply Chain Management」の頭文字をとった用語で、日本語では「供給連鎖管理」となりますが、カタカナで「サプライ・チェーン・マネジメント」とそのまま認識される場面も増えています。


SCMは、製品の原材料調達から販売までの流れをひとまとめに管理して効率化を図るという目的がありますが、これはあくまで「供給」部分に着目しているにすぎず、「経営」に着目するERPとは役割が異なります。


SFAとは?


SFAとは、英語の「Salesforce Automation」を略した用語で、「営業支援システム」と呼ばれます。

あくまで営業部門の業務を効率化する目的で作られたシステムのため、取引履歴を共有して属人化を防ぎ、経営に反映させようというものです。


MAとは?


MAとは、「Marketing Automation」の頭文字をとった用語で、マーケティング・オートメーションと呼ばれます。

マーケティング施策を自動化するシステムですが、CRMとの違いは見込客の獲得に特化しているという点です。

見込客獲得のために行われるメールの送信や資料のダウンロードなどを分析して優良顧客になり得る層を抽出するといった機能が含まれます。

ERPシステムの基本機能


ERPシステムにはどのような機能が含まれるのか、主な機能について詳細を見ていきます。


販売管理


販売管理の一連の流れとしては、見積作成から受注、出荷、請求、入金処理などが考えられますが、これらの管理機能が他機能とも連携されることでデータを共有することができます。

複数店舗やECサイトなどを運営している場合は、これらをすべてまとめて管理できるようになっています。

クラウド型のERPシステムであればタイムラグがほとんどない状態なので、リアルタイムのデータを確認できます。


購買管理


ERPシステムの中で発注、仕入、支払などの業務をまとめて管理できる購買管理機能は、それらをすべて自動で行う仕組みになっています。

発注自体も在庫データを取得する自動発注に対応していれば、ほとんど何もする必要が無い状態で支払いまで完了してしまいます。


在庫管理


モノを販売する上で手間のかかる業務といえば在庫管理ですが、バーコードやタグでERPシステムにデータを取り込んでしまえば、あとは自動で棚卸なども可能となります。

ERPシステムを外部のWMS(倉庫管理システム)と連携させれば、注文とほぼ同時に出荷準備〜お届けまで一気に進行します。


財務会計


エクセルは導入されている企業が多いものの、本格的な会計システムとなると大企業中心となるでしょう。

担当者がエクセルの操作による経理業務に限界を感じているという声はよく聞かれますが、ERPシステムなら決済情報も自動で取得でき、そのまま支払いや入金も可能なため、大幅に業務時間が削減されます。

CRMシステムの基本機能


CRMシステムは顧客管理機能を中心に、マーケティングの部分までを担っています。


顧客管理


顧客管理はCRMシステムの中心的な役割の一つで、名前や住所などの基本情報だけでなく、顧客がいつ、どこで、何を、どのくらいの頻度で購入しているかなどの情報をまとめる役割を果たします。

この情報を活用して、顧客との関係を深めるためのパーソナライズされたコミュニケーション戦略を策定できます。


顧客分析


顧客分析は、このあと行うマーケティングにおいて重要な役割を持ちます。

顧客のグループ分けや絞り込みを行い、できるだけ効果の高いマーケティング施策を考える必要があるからです。

CRMシステムはこのような顧客分析機能が充実しています。


営業支援


この機能は、営業チームが顧客に対して正しいアプローチができるようサポート的な役割をし、顧客ごとに適した戦略を考えられることや業務をスムーズかつ効果的に進めるのを支援し、顧客関係の管理や営業活動の計画、効果的な営業パイプラインの管理に役立ちます。


カスタマーサポート


CRMシステムの機能の中で便利なのがカスタマーサポート機能です。

例えば注文を受けた後のお礼メールや入金確認メール、出荷メールなどをタイミングに合わせて自動送付してくれます。

また、問い合わせなどに対してもフォームや自動応答機能などがあれば、お客様を不安にさせる時間が少なくなります。


ERPシステムとCRMシステムのメリット


ERPとCRMシステムのそれぞれの違いがはっきりしてきたところで、それぞれのメリットを以下にまとめます。


データの統合によるERP導入のメリット


効率的な在庫管理


製造業や小売業では、ERPシステムの導入により在庫をリアルタイムで追跡できるので管理しやすくなります。

これにより、過剰な在庫や在庫切れを回避しやすくなり在庫コストの削減やキャッシュフローの改善、商品の納期を明確にできるようになります。


迅速かつ正確な財務報告


財務・会計部門はERPシステムを通じて得られる一貫したデータを基に、迅速かつ正確な財務報告を作成できます。

これにより、経営陣はデータに基づいた賢明な意思決定が可能となります。


生産計画の最適化


生産部門は、ERPシステムから得られる情報を活用して、生産計画を最適化し、材料の仕入など無駄を削減することができます。

また納期や在庫数が見える化され、適正な在庫数を保てるよう生産をコントロールすることが可能になります。


企業におけるCRM活用のメリット


パーソナライズされたマーケティング

CRMシステムの利用により、BtoCの場合は顧客の購買履歴や好みに合わせた個別のマーケティングキャンペーンを展開できます。

これにより、顧客の興味を引きつけ顧客満足度をあげることで売上アップにつながります。


顧客サービスの向上

CRMシステムは、顧客からのフィードバックやクレーム、問い合わせ内容をデータ化し製品・商品の改善に役立てることができます。

また、これまでの様々な問い合わせやケースを残しておくことで、質問があった場合もすぐに対応できることが可能となります。


このように、ERPとCRMでは根本的な目的が異なることがわかります。

キャムマックスは社内の基盤になるERPシステムです



ERPシステムは企業を経営するという観点からできるだけ効率化を目指す目的で導入することになりますし、CRMシステムは顧客満足度を高めるという観点から導入することになるでしょう。


結論としてどちらかを選ぶというよりは、どちらも選ぶのが正解です。

キャムマックスは、企業内のデータを一元管理できるERPシステムですが、同時に自動メール送信機能などもついているのが特徴です。

本格的なCRMシステムと連携して使用することで、人材不足の中小企業でも店舗やECサイトの管理を簡単に行うことができるようになります。


ERPやCRMの導入をお考えなら、ぜひ一度キャムマックスまでご相談ください。



この記事を書いた人

ライター
株式会社キャム 取締役COO

下川 貴一朗

証券会社、外資・内資系コンサルティングファーム、プライベート・エクイティ・ファンドを経て、2020年10月より取締役CFOとして参画。 マーケティング・営業活動強化のため新たにマーケティング部門を設立し、自ら責任者として精力的に活動している。

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