在庫連携で効率化!おすすめSaaS型在庫管理システム5選
楽天やAmazon、自社ECサイトなど、複数のオンラインショップを運営する中で、「在庫の数が合わない」「他店舗の在庫状況がわからない」といった課題を感じていませんか?
そうした問題を解決する手段として注目されているのが、クラウド型在庫連携システムです。クラウド上で在庫情報を一元管理することで、リアルタイムの在庫反映や自動連携が可能になり、販売機会のロスやミスを大幅に削減できます。
本記事では、複数ECサイトの在庫管理を効率化する方法と、導入しやすいおすすめのクラウド在庫連携システムをわかりやすくご紹介します。
目次
なぜ複数ECの在庫連携が必要なのか?
EC事業者が複数のチャネルを活用する時代、在庫管理の煩雑さはますます増しています。楽天・Amazon・自社ECなどを併用する場合、それぞれの在庫数を手動で調整していると、更新ミスや遅れが発生しやすくなります。
ここでは、複数EC運営における在庫連携の必要性について詳しく見ていきましょう。
ECチャネルの拡大と在庫管理の課題
EC市場が成長する中、1つのショップだけでなく、複数の販売チャネルを展開する企業が増えています。楽天市場やAmazonなどのモール、自社ECサイト、さらには実店舗を組み合わせて販売を強化する「オムニチャネル戦略」は定番になりつつあります。
しかしチャネルが増えるほど、在庫管理は複雑になります。売れた情報が即時反映されなければ、二重販売や在庫差異が生まれ、業務の手間が急増します。こうした背景から、在庫の「自動連携」が求められるようになっているのです。
手作業による在庫ミスと販売機会ロス
在庫更新を手作業で行っていると、入力ミスや更新漏れが起こりやすくなります。たとえば、自社サイトで商品が売れたのにモール側の在庫が減らず、そのまま売れてしまえば「在庫切れによるキャンセル対応」が発生します。
これは単なる作業ミスでは済まず、カスタマーサポートの工数増加やクレーム対応にもつながります。また、逆に他の店舗に在庫が残っていても連携できなければ、販売のチャンスを逃す「販売機会ロス」にもなります。
顧客満足度にも影響する在庫管理
購入後に「在庫がなかった」と連絡を受けたお客様の不満は、レビューやSNSでの発信に直結します。特にECでは、購入前にショップとの接点が少ないため、1回の失敗=そのまま離脱につながることもあります。
正確な在庫連携は、運営側の業務効率だけでなく、「購入できる安心感」「スムーズな対応」「信頼感」など、顧客体験の向上にも直結する重要な要素です。
在庫連携をもっと簡単に!クラウド型在庫管理システムでスムーズに一元化しよう
複数のECチャネルや倉庫を持つ企業にとって、在庫管理は「スピード」と「正確性」が命です。その両立を可能にするのが、クラウド型在庫管理システムの存在です。そこで、在庫連携を効率化する上で重要となる、クラウドならではの仕組みや特徴について解説します。
在庫連携の基本データを「一元化」する
在庫連携の核心は「一元管理」です。複数のECサイトや倉庫にまたがる在庫情報を、ひとつのシステム上で統合・管理できるようにすることが理想です。これにより、どのチャネルで販売しても、同じ在庫情報に基づいて自動的に在庫数が調整され、在庫の二重引当や過剰在庫のリスクを防げます。
一元管理の強みは、業務効率の改善だけでなく、情報の一貫性を保つことで企業全体の判断力を高める点にもあります。
クラウド型在庫管理システムを活用
クラウド型在庫管理システムは、インターネットを通じてデータをリアルタイムで更新・管理できる仕組みです。インストールやサーバーの用意が不要で、初期費用を抑えつつ、常に最新版のシステムを利用できる点が大きなメリットです。
特に複数拠点やリモート環境でもアクセスできるため、店舗・倉庫・本部などがリアルタイムで在庫状況を共有できるのが最大の強みです。また、セキュリティ対策や自動バックアップなどもクラウド側で対応してくれるため、ITリソースが限られる中小企業にも向いています。
リアルタイム更新で複数ECの在庫を同期、見える化へ
クラウド型の在庫管理では、APIやCSV連携を活用し、各モール・カートシステムと在庫データをリアルタイムで同期できます。たとえば、自社ECサイトで商品が売れた瞬間に、Amazonや楽天市場の在庫も同時に減少させることができれば、在庫切れによる販売停止やクレームを未然に防げます。
さらに、一定数以下になったら自動で通知が来る「アラート機能」や、チャネルごとに異なる在庫引当ルールを設定できるなど、柔軟性の高い在庫連携がクラウド型なら実現できます。
クラウドでおこなう在庫連携のメリットと注意点
クラウド型在庫管理システムは、業務効率や情報共有を大幅に改善できる一方で、導入に際しては注意すべきポイントもあります。このセクションでは、クラウド在庫管理の代表的なメリットと、見落としがちなデメリットについて解説します。
業務効率アップとヒューマンエラーの削減
クラウド在庫管理の最大の利点は、人手による入力作業を減らせることです。複数チャネルの在庫を自動で調整する仕組みがあることで、都度の手動更新や、在庫表の突き合わせ作業が不要になります。その結果、作業工数が減り、業務全体がスムーズになります。
また、データの整合性が保たれることで、誤出荷や販売停止といったトラブルも未然に防げるため、顧客満足度の向上にもつながるのがポイントです。
リアルタイムな情報共有が可能に
クラウド在庫管理では、インターネット環境があれば、どこからでも同じ在庫情報にアクセスできます。たとえば、倉庫・店舗・EC担当者が離れた場所にいても、常に同じ在庫情報を共有できるため、問い合わせや連携ミスの発生を大幅に減らすことが可能です。
また、スマホやタブレットからでも操作可能なシステムが多く、現場作業との親和性も高くなっています。コロナ禍でリモート対応が進んだ今こそ、クラウドの特性が活きる場面です。
導入前に確認すべき注意点
ただし、クラウド在庫管理システムには注意すべき点もあります。まず、通信環境に依存するため、ネット回線が不安定な場所では操作に支障が出ることがあります。また、導入するクラウドシステムがすべてのモールやカートに対応しているわけではないため、連携先の仕様確認は必須です。
さらに、使いこなすにはある程度の操作トレーニングが必要であることも事前に理解しておきましょう。サポート体制やマニュアルの有無なども、選定時の重要な判断材料となります。
在庫管理システムで「在庫連携」ってどんなことができるの?
複数のECサイトを運営していると、それぞれの在庫情報を別々に管理するのは非常に手間がかかります。そこで活躍するのが「在庫連携機能」です。クラウド型の在庫管理システムを活用すれば、複数店舗の在庫を一元的に自動管理でき、ミスやタイムロスを防ぐことが可能です。
受注と同時に在庫数を自動更新
楽天で商品が売れたら、ShopifyやAmazonの在庫数も自動で引き下げられる――このようなリアルタイム連携が可能になります。これにより二重販売や売り越しのリスクを防げるだけでなく、手動更新の手間も不要になります。
複数倉庫・複数チャネルの在庫を一括で可視化
クラウド在庫管理システムを使えば、本社倉庫・店舗在庫・外部倉庫などの在庫情報をひとつの画面でまとめて管理できます。どこに何が何個あるのか、常に正確な状況を把握できるため、在庫の偏りや過剰在庫の防止にもつながります。
在庫数に応じた自動通知・販売停止設定
在庫が少なくなったときにアラートを出したり、特定チャネルでの販売を自動停止する機能を備えているシステムもあります。これにより、欠品前に対応できるだけでなく、ブランドの信用失墜も防ぐことが可能です。
失敗しない!中小企業・個人事業者向けクラウド在庫管理システムの選び方
在庫管理システムは導入して終わりではなく、自社の業務としっかりフィットすることが重要です。とくに中小企業や個人事業者にとっては「コスト」
「使いやすさ」のバランスが導入成功のカギとなります。ここでは、失敗しないための選び方を3つの視点から紹介します。
モール・カートとの連携実績を確認する
まず重要なのは、自社が利用しているECモールやカートとしっかり連携できるかを確認することです。例えば、楽天・Amazon・Yahoo!ショッピング・Shopifyなど、販売チャネルが増えるほど連携の精度が問われます。すでに多数のチャネルで導入実績があるシステムであれば、トラブル発生率も低く、スムーズに運用をスタートできます。
初期費用・月額コストが明確であるか
中小企業や個人事業者にとって、ランニングコストは特に気になる点です。初期費用が高額すぎないか、無料トライアルがあるか、月額利用料にどこまでの機能が含まれているかを事前に確認しましょう。安価に見えても、在庫数制限やチャネル数制限があるプランでは、後々追加費用が発生することもあるので要注意です。
操作性・サポート体制を重視する
システムは「使いやすいこと」が最重要です。ITに慣れていないスタッフが使うことも想定し、直感的に操作できるインターフェースやマニュアル、サポート体制が整っているかを必ず確認しましょう。導入後すぐに現場で使いこなせるよう、初期設定の代行や導入支援があるシステムを選ぶのもポイントです。
クラウドで在庫連携ができるおすすめの在庫管理システム
システム名 | 主な特徴 | 料金体系 | おすすめ用途 |
キャムマックス | ECと実店舗を一元管理。外部システムとの高い連携性。 | 月額7万円~。初期費用月額1ヶ月分。 | 複数店舗のリアルタイム在庫連携と販売管理。 |
ネクストエンジン | EC運営特化型。受注管理と在庫連携に強み。 | 月額3千円~。初期費用無料。従量課金あり。 | EC特化型運営で在庫連携を重視。 |
クロスモール | 複数のECモールを統合管理。商品登録が簡単。 | 月額1万円~。初期費用無料。従量課金あり。 | 複数モールの一元管理を効率化。 |
TEMPOSTAR | 多店舗向け。受注・決済・物流を効率化。 | 月額1.1万円~。初期費用無料。従量課金あり。 | 多店舗運営で受注から物流を統合管理。 |
助ネコ | 柔軟な機能選択が可能。低コストで利用可能。 | 初期費用3万円。月額2.1万円~。 | 小規模事業者のコスト効率を重視。 |
在庫連携が可能なSaaS型システムを厳選してご紹介します。
在庫管理だけじゃない!オールインワンのクラウドERPキャムマックス
キャムマックスは在庫管理に限らず、販売にかかわるあらゆる業務を一元管理できるシステムです。
在庫管理機能ではECサイトに限らず実店舗でも複数ショップの連携が可能なのが特徴です。
スマホやハンディターミナルの連携によるピッキングに対応しているほか、外部WMSとの連携も充実しています。
在庫管理以外にも販売、購買、財務会計を全て連携させることで、業務全体の効率をアップしていくシステムです。
全ての機能を合わせて月額9万円から利用でき、初期費用は10万円となっています。
ネクストエンジンはEC運営特化型で複数倉庫もしっかり管理できる
ネクストエンジンは、ECサイトの運営に特化したサービスです。
受注からの在庫連携、倉庫連携機能などECサイトでの販売に必要な基本機能が備わっていますが、連携先によっては別途専用アプリを活用する必要があります。料金体系は初期費用0円、月額基本料1万円となっていますが、月の受注件数が400件以上の場合は使った分だけ支払う従量料金が加算されます。
クロスモールはECモール連携に最適な在庫管理システム
クロスモールは、各主要ECモールと在庫管理、商品登録、受注管理や外部サービスとを連携させるシステムです。
複数のECモールに出店しているけれど1か所でデータを管理したいという企業向けサービスと言えます。初期費用無料で、月々の利用料は連携させるモールサイトの数や商品数によって選べるようになっています。
複数ショップ連携の在庫管理ツールならTEMPOSTAR(テンポスター)
テンポスターは、複数のECショップやネットショップを連携させて運営できるシステムです。
基本機能は受注管理、在庫管理、商品管理と物流、伝票、決済などの外部サービスとの連携です。料金は初期費用無料、月額基本料1万円に、商品課金+受注課金の月額費用が加算されます。受注課金については、従量制と定額制から選ぶことができます。
助ネコは多機能型の在庫管理システムで効率化を実現可能
助ネコEC管理システムは、受注管理、発注管理、商品登録、在庫管理、Web領収書の各機能から必要なものだけを選んで使う仕組みになっています。
在庫管理機能では複数サイトの連携により、1か所の在庫が変動した際に他のサイトでの在庫量に自動で反映が可能となります。在庫管理単体で利用する場合には、初期費用3万円と月額基本料金2万円で数の取り込み上限はありません。
クラウドERP「キャムマックス」ならオムニチャネル対応!さらにEC以外にも実店舗も在庫連携が可能!
複数ショップの在庫を連携させるシステムを導入するだけでも、作業時間を短縮できて効率は上がりますが、在庫管理以外の各システムがバラバラになっているとその連携も難しくなります。
その点キャムマックスは、受注から会計までECショップや実店舗に必要な機能が一つにまとまっているシステムのため、まさにオールインワンで簡単に管理できます。
キャムマックスは、複数のECショップ、さらには実店舗と、複数チャネルからの受注に対応しています。在庫連携が可能なばかりでなく、たとえば、「他店舗の在庫を知りたい」「今月のECの売上を取り出したい」といったニーズにお応えできます。
業務効率を上げる目的で在庫連携をお考えなら、ぜひ一度キャムマックスへご相談ください。
FAQ(よくある質問)
Q1. 在庫連携とは何ですか?
A:在庫連携とは、複数のECサイトや実店舗での在庫情報を一元管理する仕組みです。
例えば、ある店舗で在庫が減った場合、その情報が自動的に他の店舗やECサイトにも反映されます。これにより在庫不足や過剰在庫のリスクを減らすことがでるため、特に多店舗展開やオンラインとオフラインを併用する場合においては重要な機能です。
Q2. 在庫管理システムにはどのような機能がありますか?
A:在庫管理システムには、多岐にわたる機能があります。たとえば、在庫数のリアルタイムな反映により店舗間での在庫状況を常に確認することができます。また倉庫管理システム(WMS)と連携することで、入出庫作業を効率化できます。さらに、受注確認や発送連絡などのメールを自動で配信する機能も備わっています。
Q3. SaaS型在庫管理システムとは何ですか?
A:クラウド上で提供される在庫管理ツールのことです。インターネット環境があればどこからでも利用可能で、特別な機器やサーバーを用意する必要がありません。また、アップデートやメンテナンス作業もベンダー(サービス事業者)が行うため、システム管理の手間もかかりません。さらに、データのバックアップもクラウド上で管理されるため、データ紛失のリスクも低減できます。
Q4. どの在庫管理システムを選べば良いですか?
A:最適な在庫管理システムは、事業の規模や目的によって異なります。
たとえば、ECサイトと実店舗の両方を運営している場合は『キャムマックス』のようなオールインワン型のシステムが適しています。一方で、ECサイト専用の運営に特化する場合は『ネクストエンジン』が便利です。それぞれのシステムの特長を比較して自社のニーズに合ったものを選びましょう。
Q5. システム導入にどれくらいの時間がかかりますか?
A:システム導入にかかる時間は、事前準備や規模によって異なります。たとえば、商品データの整備が進んでいる場合はスムーズに進行しますが、データの一元化に時間を要することもあります。また、既存システムとの連携やスタッフの教育も時間を左右する要因です。一般的には導入作業自体は数週間程度ですが、システムを完全に稼働させるまでには数か月を要する場合があります。
この記事を書いた人
下川 貴一朗
証券会社、外資・内資系コンサルティングファーム、プライベート・エクイティ・ファンドを経て、2020年10月より取締役CFOとして参画。 マーケティング・営業活動強化のため新たにマーケティング部門を設立し、自ら責任者として精力的に活動している。