BIツールとは?ダッシュボードを作成してメリットを最大化させる
BIツールとは、Business Intelligence(ビジネスインテリジェンス)を活用したツールで、意思決定をサポートする目的で使用されることから、あらゆるデータを収集し、分析して可視化するといった機能が含まれます。機能や活用方法についてまとめました。
BIとは?
BIは、Business Intelligence(ビジネスインテリジェンス)の略称で、組織や企業が持つデータを収集・分析・可視化して意思決定や戦略策定に活用するための手法やツールを意味します。
BIの目的は、ビジネス上の意思決定をサポートすることです。BIは、様々なデータソースからデータを抽出して統合・分析し、企業の業績や市場動向、顧客の傾向といった重要な情報を把握する役目があります。
実はこのBIは、現代の新しい技術が進む中で生まれた言葉のように感じますが、言葉そのものは1800年代にすでに生まれていて、当時は収集した情報を活用して利益に結び付ける能力として使われていました。
そこから時を経て、現在では従来の「情報」を意味するものがビッグデータに置き換わり、PCで確認ができるものというイメージに変わってきたと言えるでしょう。
BIツールとは?
BIツール(Business Intelligence Tools)は、BIプロセスを支援するためのソフトウェアやアプリケーションのことを指します。
具体的にBIツールとして知られているのは、Tableau、Power BI、Microsoft Azure、Domo、Qlik senseなどです。
BIツールの主な機能
現在多くのBIツールがあり、機能や特徴も様々です。そのため、以下に挙げている機能が必ずしも含まれるというわけではありませんが、BIツールの中核となるものをご紹介します。
データの集約
データベース、統計、機械学習などを駆使してビッグデータの傾向を明らかにします。
データの分析
データ分析を行って何が起こったのかを突き止め、この傾向がどのようにして起こったのか、その理由など統計を使用して調査します。
データの可視化
分析結果をチャート、グラフ、ヒストグラムなどで可視化して、データをより簡単に利用できるようにします。
レポート作成
データ分析の結果をレポートとしてまとめ、これを関係者に共有することで意思決定ができるようにします。
ダッシュボード
ダッシュボードはBIツールがまとめた内容をリアルタイムに一か所で確認できる機能です。
レポートはデータの分析結果をわかりやすくまとめて報告することを意味しているため、形式による区別はなく、紙に印刷したりドキュメントで保存するのが一般的な方法です。
一方、ダッシュボードはコンピュータ上で確認できる画面と言えばわかりやすいかもしれません。その画面を印刷することも可能ですが、印刷しない状態でリアルタイムのデータを随時反映させているのが特徴です。
たとえば、今月の売上と先月の売上を比較したデータを確認したいというニーズもあれば、ある一定の期間で前年度と比較したいというニーズなど、見たいデータに合わせて表示させることができます。
BIツールの活用方法
BIツールを活用できる場面は多岐にわたります。どのような場面で活用できるか見ていきましょう。
顧客分析
BIツールを使用して購買履歴、デモグラフィック情報、行動データなどの要素を考慮し、顧客セグメントを特定することができます。この結果をマーケティングや販売戦略に活用することができます。
また、顧客満足度の調査結果やフィードバックデータを分析し、顧客の満足度や不満の要因を特定することができます。これにより、顧客満足度向上に役立てることができます。
在庫分析
BIツールを使用して在庫データをリアルタイムで取り込み、グラフやチャートで在庫の数量や状態を表示することができます。また、在庫回転率を計算して分析することもできます。
過去の販売データや需要のパターンを分析することで、在庫の需要予測を行うことも可能です。
予実分析
BIツールを使用して、予算と実績の差異をグラフやチャートで表示し、具体的な数字や割合で分析することができます。これにより、予算の達成度や予算配分の効果を評価することができます。
ダッシュボードやレポートに予算と実績の主要な指標やKPIを含めることができるため、ビジネスの予算管理目標を達成する助けになります。
帳票や書類の自動作成
帳票や書類作成のために多くの企業で使用されているエクセルですが、人の手で入力して管理しなければならないということが課題となっています。
BIツールの場合、可視化したデータを様々な形で自動出力することができます。
BIツールの導入メリット
BIツールを導入するメリットは多いですが、主なものをまとめました。
生産性の向上
BIツールによってこれまで人の手で行われていた入力やレポート作成などの業務が自動化されることで、データ入力の際のミスやデータの消失といったアクシデントが無くなるため時間やコストが大きく削減できます。
コストの削減と同時に利益の増加というのもBIツール最大のメリットで、従業員の意欲や満足度が向上した結果も含まれます。
意思決定の迅速化
経営方針や戦略の意思決定にもBIツールは役立ちます。
様々な部署から取り寄せたデータをまとめるのに時間がかかっていると、スピーディーな対応は望めませんが、リアルタイムのデータをすぐに提出できれば素早い意思決定ができるため、売上アップやコスト削減など企業にとって良い影響をもたらします。
BIツールの導入デメリット
メリットがある一方で、BIツールを導入する際のデメリットも考慮に入れる必要があるでしょう。
最も大きなデメリットは導入にあたっての業務プロセス見直しに時間がかかるということです。
これまで行っていた業務を今後はBIツールが担うため、その業務を担当していた従業員にBIツールを任せることも考えられますが、企業内でやり方を変えるということは大きな労力を必要とします。
ツールを使いこなせるようになるまでの時間とコストをデメリットにしないためにも、プロジェクトのチームを作り、目的をもってしっかりと計画をたてましょう。
BIツールの活用をおすすめしたい企業とは?
BIツールは大企業が使うものと思っている方もまだまだ多いですが、実は一番おすすめしたいのは中小企業です。
中小企業で多い人手不足という課題やデジタル化が進んでいないという課題を一気に解決へ導くのがBIツールだからです。
デジタル化を進めようにも先立つお金が無いという場合でも、無料ツールを始めとした手軽に活用できるBIツールはたくさんあります。
経営課題を抱えているという場合には、ぜひBIツールの導入を検討することをおすすめします。
この記事を書いた人
下川 貴一朗
証券会社、外資・内資系コンサルティングファーム、プライベート・エクイティ・ファンドを経て、2020年10月より取締役CFOとして参画。 マーケティング・営業活動強化のため新たにマーケティング部門を設立し、自ら責任者として精力的に活動している。