【失敗事例付き】クラウドERPの導入を失敗させないためのポイントとは?
企業の経営戦略に欠かせない存在となりつつあるクラウドERP。
そんな中、クラウドERPの導入に失敗する企業が多いのも事実です。
このような状況のために、導入を悩んでいる企業も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、実際に導入に失敗した事例を紹介。
また、失敗事例のようにならないための解決法を解説していきます。
この記事を参考にして、クラウドERPの導入に成功させましょう。
クラウドERPの導入失敗事例3選
クラウドERPを導入しても失敗してしまうケースがあります。
ここでは、代表的な事例を3パターンご紹介いたします。
従業員がクラウドERPを導入する目的が見えていない
クラウドERPの導入にあたって「ERPを導入して何を達成したいのか」が定まっていない場合は失敗しやすいといえるでしょう。
従業員の業務効率を上げたい、複雑化している社内業務システムをまとめたい、残業代を減らしたい。
など様々な理由からクラウドERP導入を検討されていることかと思います。
ただ明確な理由なくいきなり導入してしまうと、少なからず従業員の反応も微妙に・・・。
結果、業務が増えた・使い方がわからないから触らないなど、システムについて消極的になってしまい本来のパフォーマンスを使いきれないままになってしまうことがあります。
そのため、導入前は経営者目線と現場の担当者の目線をきちんと合わすところから始めることが大切です。
クラウドERP製品が多すぎて、「とりあえず」で選んでしまった
クラウドERPと呼ばれる業務システムは国内の会社がリリースしているものだけでも20製品以上あります。
インターネットで検索すると、多くの製品がヒットしてしまうため、慎重に選ばないとうまくマッチしないシステムを選んでしてしまう恐れがあります。
価格が安いと機能も少なかったり、機能は豊富でもUI・UXが悪い、他のシステムと連携が出来ないなど、ミスマッチを起こす原因は様々です。
ですので、価格だけ・機能だけ・ネームバリューだけなどで選んでしまい、結果、思っていた効果が出ず失敗してしまった。ということが多いようです。
トライアルを利用しなかった
Webサイトなどで機能や連携などのスペック、操作画面のキャプチャ画像を確認していても、いざ導入してみたら「使いにくかった」という失敗もあります。
「文字が小さい」「ボタンの位置がわかりにくい」「ページ遷移が複雑」といった操作性の欠点には、実際に操作してみないとなかなか気づかないものです。
使用感が悪いと、社内での活用もあまり進みません。
実際に導入する前に、無料トライアルやデモ版などで操作性を確認しておく必要があります。
クラウドERPの導入を失敗させないための5つのポイント
上記のような導入の失敗事例を踏まえ、クラウドERPの導入を成功させるには、どのようなポイントに注意すれば良いのでしょうか?
業務のボトルネックを明確にする
クラウドERPを導入する前に、社内で業務が円滑に進められていないボトルネックを明確にしましょう。
そして、ボトルネックになっている部門の担当者の業務負担の内容を吸い上げ、それらを解決することを一つの『ゴール』として設定しましょう。
そこから、経営者の目線、他部署も含めた従業員の意見を調整し導入に向けて動きます。
重要なのは、クラウドERPを導入するとどういったメリットが発生するかを共有することです。
たとえば、
・残業を大きく減らすことができる
・生産性がよくなり結果として会社に利益がもたらされることで従業員の給与アップにつながる
など。
そうすることで、全従業員がクラウドERPのメリットを理解でき、導入成功につながります。
優先的に欲しい機能を整理する
まずは、どの機能を優先的に欲しいのかを整理してみましょう。
クラウドERPでは、在庫管理、販売管理、購買管理、財務会計など多くの業務システムが一元管理できるようになっています。
しかし、製品によっては、基本料金では「会計システムだけ」や、「在庫管理機能はあるが、倉庫管理との連携はカスタマイズ」など、仕様がさまざまですので、まずは、欲しい機能が確実に備わっているかを確認する必要があります。
ただ、求めるすべての機能が備わっているクラウドERPを探すことは困難です。そこで、優先順位の高い機能は必須機能として、優先度の低い機能はあきらめるという判断が必要になってきます。
搭載されていない機能については、別途、費用をかけてカスタマイズを行うという選択肢もあります。
無料トライアルで実際に試してから導入する
無料トライアルで実際に触ってみて操作性や使用感を確かめることで、従業員に受け入れられるかどうかを判断できます。
既存のほかのシステムの操作性と近かったり、操作が簡単だったりすれば定着しやすいですが、逆の場合は活用が進まない可能性があります。
社内に定着させ、フル活用してもらうためにも、トライアルやデモなどを経て契約を決断することをおすすめいたします。
自社に合ったクラウドのタイプを選ぶ
クラウドERPには、IaaS、PaaS、SaaSの3タイプがあります。また、プライベートクラウドか、それともパブリッククラウドかという区分もあります。
それぞれ、費用や運用の手間、使い勝手、セキュリティレベルなどに差が出てくるため、自社に合ったタイプを選ぶことが大切です。
すでにIaaS・PaaS型を利用していて運用できるエンジニアが在籍しているのか、それとも、デジタルリテラシーの高い人材がおらず、運用は完全にベンダー任せにしたいのか、など、企業によって体制や要望が異なるため、ベンダーのアドバイスなども受けながら、マッチするものを選びましょう。
クライアントへの影響も考慮する
たとえば、ERPそのものを初めて導入するようなケースでは、あらゆる業務においてアナログからデジタルに切り替わる可能性が高いです。
そのような場合、クラウドERPを導入するタイミングで、クライアントからの受注や、問い合わせ対応などの方法が変わり、クライアント側にも変化に対応してもらわなければならなくなるでしょう。その変化が大きいほど、クライアント側に受け入れてもらえないリスクも高まります。
そのクラウドERPを導入することで、クライアントにどのような影響が出そうか、受け入れてもらえるものかどうかを検討することも重要です。
まとめ
クラウドERPは、導入に成功すれば、業務効率化を中心にさまざまなメリットを享受できますが、失敗に陥ることもあります。明確な目的がないままの導入や、トライアルを経ずに導入した場合などには失敗する恐れがありますので、注意が必要です。
今回の記事でご紹介したようなポイントを押さえて、クラウドERPの導入を成功させましょう。
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この記事を書いた人
下川 貴一朗
証券会社、外資・内資系コンサルティングファーム、プライベート・エクイティ・ファンドを経て、2020年10より取締役CFOとして参画。 マーケティング・営業活動強化のため新たにマーケティング部門を設立し、自ら責任者として精力的に活動している。