入出庫管理とは?入出庫管理の課題を解決する方法
入出庫管理とは?
入出庫管理とは、入荷や出荷で発生した在庫の出し入れを記録して、在庫情報を管理する業務です。
入出庫管理が疎かだと在庫数の正確な把握が出来ないため、欠品商品が補充されないといったことから機会損失に繋がる場合があります。また、出荷情報も同様に倉庫内の在庫数把握には欠かせません。
入出庫管理を正確に行えると、機会損失を防ぎ売上向上に繋がるといえるでしょう。
入出庫管理によくある課題
入出庫管理業務のよくある課題には主に以下の2点があります。
人的ミスにより在庫情報が不正確になる
日々の入荷や出荷によって移動する在庫は数量も種類も多いため、人力で記録すると数え間違いや記入する情報を誤ることも少なくありません。
また、エクセルなどデータを打ち込んで管理をする手法では、入力作業でもミスが発生する場合もあるため、さらにミスの可能性を高めてしまいます。
在庫情報をタイムリーに更新できない
入出庫の情報を管理表やシステムに記録するまでに時間がかかり、正確でない在庫管理情報を参照してミスが発生するケースがあります。
例えば、入荷情報の更新が遅れ、提供できる在庫を取り寄せ対応にしてしまう場合や、出荷情報の更新が遅れ、欠品している商品が注文可能な状態でECサイトに掲載される場合などが考えられるでしょう。
効率よく入出庫管理を行う方法
入出庫管理の効率化には、「データの入力ミスを無くすこと」と「入力業務を素早く行うこと」の2つの観点があります。入出庫管理業務の効率化を実現するための手法を3つご紹介します。
在庫管理表(受払表)で入出庫管理を行う
入出庫の日付や品目、個数などの在庫管理表に決められた項目に沿って入出庫情報を管理する方法です。
これにより管理情報のばらつきが無くなり、情報の管理がしやすく、記載する項目をあらかじめ決めることで効率的に記入作業を行えます。しかし、管理表で管理すると集計が行えないため、在庫数の全体を瞬時に把握できないほか、管理表は原則1つであるため、複数人が同時に入出庫情報を見られないのがデメリットです。
エクセルで入出庫管理を行う
エクセルに上記の管理表と同様の項目を設けて、入出庫情報をエクセルに入力していく管理方法です。
エクセルの集計やフィルター機能を活用することで、特定の商品の在庫情報を素早く調べるといったことが実現できます。また、関数やピボットテーブルなども活用すれば、月別や分類別など様々な条件で在庫情報を把握できるため、分析にも役立つでしょう。
しかし、入出庫情報をエクセルに入力するという工程が必要であるため、入力業務を行うことでの非効率があったり、記入ミスをするリスクもあります。
そのほか、エクセルで管理表を作成するためにある程度の知識が必要であるため、やや導入のハードルが高いといえるでしょう。
ハンディターミナルで入出庫管理を行う
バーコードをハンディターミナルで読み取り、自動的に入出荷などのデータ入力を行う仕組みを構築することが可能です。
ハンディターミナルをバーコードにかざすだけで入力が完了するため、入力業務の効率化や、ミスの防止が期待できます。また、経験が浅い方もミス無く効率的に作業ができるため、業務スキルの平準化も見込めるでしょう。
しかし、ハンディターミナルなどバーコードリーダーの役割を果たすデバイスのコストがかかる点や、バーコードに汚れがつかないように注意が必要な点を考慮する必要があります。
在庫管理システムで入出庫管理を行うことも可能
入出庫管理は在庫管理業務の1つであるため、在庫管理システムには入出庫管理機能が備わっています。
在庫管理システムを用いて情報を一元化させることで、入出庫情報と在庫情報を効率的な管理ができます。
在庫管理システムの主な機能
在庫管理システムは倉庫内の在庫数を把握するだけではなく、在庫情報に関連する様々な情報を管理するための機能があります。
主な機能である、「在庫管理機能」「入出庫管理機能」「棚卸管理機能」の3つをご紹介します。
在庫管理機能
在庫管理機能では、倉庫内の在庫数の管理はもちろん、他の拠点や店舗にある在庫、移動中の商品などを含めたあらゆる在庫の数や場所を管理できます。
全体の在庫情報の把握を行うことで、拠点ごとの適正な在庫数を維持できたり、欠品している商品の取り寄せ対応がスムーズに行えたりと、顧客満足度や売上の向上に繋がります。
入出庫管理機能
入出庫情報を在庫管理システムに登録して、在庫数と自動的に連動させることが可能です。
日々の商品の入出荷などで在庫数は常に変動しますが、手動で入出荷の記録と在庫管理表に統合するのはかなり手間がかかります。しかし、在庫管理システム上に入出庫情報を入力すれば、自動的に在庫情報も更新される仕組みを作ることができます。
また、出荷時の送り状発行などの機能が備わっている在庫管理システムを選べば、ECの売上が多い企業などは特に業務効率化ができるでしょう。
棚卸管理機能
棚卸時に在庫管理システムを活用すれば、在庫数や在庫場所の修正が効率的に行えます。
システムで管理しなければ、棚卸のデータと在庫管理表を照合し、誤りが無いかを目視で確認する必要があります。そのため、商品数の多い倉庫で行う棚卸作業は、かなりの工数と手間をかけなければなりません。
しかし、在庫管理システムを活用すれば、棚卸データを登録するだけで自動的に在庫情報の更新が可能となり、人件費の削減やコア業務を行う時間の創出に繋がります。
ハンディターミナル
在庫管理システムにはハンディターミナルと連動しているものがあり、情報を登録する作業時間の削減が期待できます。
ハンディターミナルを用いない場合の登録作業は、1件1件システムに手入力しなければならないため、情報を記録する作業を含めてかなりの時間を要します。
しかし、ハンディターミナルでバーコードを読み取るだけで自動的にシステムに入力される仕組みを構築すれば、効率化と入力ミスの防止が期待できます。そのほか、システムに入力する端末が限られる場合でも、ハンディターミナルを用いれば複数台同時に入力作業が可能ですので、全体の業務効率化にも繋がります。
在庫管理システムで入出庫管理を行うメリット
在庫管理システムで入出庫管理を行うメリットは、以下の2点です。
ミスが少なくなり、在庫数を正確に把握できる
システムで管理を行うことにより、手入力で入出荷情報の登録を行う必要がなくなるため、ミスが無くなり在庫数の正確性が担保されます。
在庫数が正確であれば、商品の取り寄せ対応がスムーズに行えたり、ECサイト上の情報と連動して欠品商品の受注が再開できたりするため、機会損失を防ぐことに繋がるでしょう。
在庫情報にタイムリーに反映ができるため売上の向上に繋がる
在庫管理システムの活用により、入出庫情報が登録されると自動的に在庫情報が更新され、常に正確な在庫数を把握することが可能になります。
正確な在庫情報のタイムリーな把握は、店舗ごとの適正な在庫数の担保や発注数の調整にも役立つため、欠品を防いで売上増加が実現できます。
在庫管理システムで入出庫管理を行うデメリット
在庫管理システムで入出庫管理を行うデメリットは、以下の2点です。
導入コストがかかる
在庫管理システムの導入にあたってパッケージ費用やランニングコスト、システムによっては初期費用等がかかります。
また、ハンディターミナルなどのバーコードリーダーとなるデバイスも揃える場合は、さらに初期費用がかかるため、費用対効果をしっかりと検討する必要があります。
慣れるまでに時間がかかる
これまで慣れ親しんだ手法から新しいシステムに切り替えると、初めのうちは操作に不慣れであるため、業務効率が上がらない場合もあるでしょう。
導入初期はシステムの導入担当者に質問が集まることも想定されるため、閑散期に導入するといった、ゆとりのあるスケジュール調整が重要です。
キャムマックスで入出庫管理を行う
キャムマックスは入出庫管理機能が備わっているクラウドERPです。
ハンディターミナルやスマートフォンをバーコードリーダーにできるため、入出庫管理をミスなく効率的に行えます。
さらに、在庫管理機能も備わっており、入出庫情報と在庫情報の連動や、移動している商品のトラッキング、複数拠点の登録などが行えるため、企業全体の在庫情報を一元的に管理することができます。
この記事を書いた人
下川 貴一朗
証券会社、外資・内資系コンサルティングファーム、プライベート・エクイティ・ファンドを経て、2020年10より取締役CFOとして参画。 マーケティング・営業活動強化のため新たにマーケティング部門を設立し、自ら責任者として精力的に活動している。