在庫管理表をエクセルで簡単に作る方法!在庫管理システムとの比較も検証
在庫管理表をエクセルで簡単に作成したい担当者の方向けに、作り方をまとめました。
エクセルで管理をする場合のメリット・デメリットと、在庫管理システムで管理をする場合のメリット・デメリットを比較した上で活用していくことをおすすめします。
目次
エクセルを使った在庫管理表の種類
エクセルを使って在庫管理表を作成する場合には主に以下の3種類に分かれます。
単票タイプ
単票タイプは基本的に1商品に対して1枚という形をとっています。見やすく作りやすいのがメリットですが、商品数が多い場合には伝票数が増えるため管理が大変になります。
在庫移動表タイプ
在庫移動表タイプは日ごとの集計を行う形をとります。
移動があった商品がすべて一覧として記載されますから、日々の在庫の動きを見るのには向いているものの商品ごとの数を確認するのには不向きです。
テンプレートの使用
エクセルには在庫管理に関する様々なテンプレートが存在します。
単票や在庫移動表以外にも複雑な計算が可能なテンプレートがあるため、自社のニーズに合わせて形式を選ぶことができます。
エクセルを使った在庫管理表の作り方
ここでは単票タイプ・在庫移動表タイプ、それぞれのタイプに合わせたテンプレートを使用した作成方法について紹介します。
単票タイプ作成の5ステップ
単票タイプの在庫管理表は簡単に作ることができますが、基本的に1商品につき1シート作成しなければなりません。そのため、自社の商品数が多い場合には管理表作成に時間を要します。
以下、作成するための5ステップを詳しく見ていきます。
●ステップ1 見出し(列)を記入
在庫管理に必要な商品情報や日付などをA列に入力します。ここでは例として「品番」、「カラー」、「サイズ」、「日付」、「繰越残高」を入力しています。
日付は最初のセルだけ入力して右下の角を下に引っ張ることで自動的に表示されます。
●ステップ2 見出し(行)を記入
「日付」と入力した行に「入庫」、「出庫」、「残高」、「担当者」、「備考」など必要な項目を追加します。
●ステップ3 見出し(行)を記入
D5のセルに繰越残高(先月の在庫残高)を入力します。
ここで気を付けることは、エクセルのデータ入力は必ず半角英数字を使用することです。
全角で入力すると文字だと認識されてしまい関数を使用した計算ができなくなります。
・ステップ4 残高に関数を入力
残高の値は月初めに加算されるため、D6のセルに「=D5+B6-C6」(繰越残高+入庫-出庫)と入力します。
・ステップ5 関数をコピーして完成
D6のセル右下角を月末まで下に引っ張ると、自動で残高を計算するための関数がコピーできます。月末の行でD列のセルをクリックし、D6まで選択してからCtrl+D(Windows)/command+D(Mac)を押すと自動で関数をコピーすることができます。
在庫移動表タイプの作り方
単票タイプの在庫管理表に対し、在庫移動表は多くの商品を一度に管理できるのが特徴です。
単票タイプは縦長でしたが、在庫移動表は横長になります。
作り方は単票と同じで行列が逆になります。
エクセルの在庫管理テンプレートを活用
このように自分で一から在庫管理表を作る方法もありますが、無料のテンプレートも各所で多数配布されています。
例えばMicrosoftではこちらのページに在庫に関するテンプレートを掲載しています。
<参照:在庫 - Office.com - Microsoft templates>
テンプレートの中で自社に合うものを選択し、カスタマイズして使用しても良いでしょう。
ただ、テンプレートを使用する上で注意したいのはマクロなどの難しい関数が含まれている場合です。
マクロは使いこなすことができれば大変便利ですが、在庫管理表のために学習するのは効率がよいとは言えません。
エクセルでバーコードも作成可能
エクセルは、在庫管理表を作成する以外にバーコード作成にも活用できます。
Microsoft365に含まれるバージョン以外(Excel 2013 のバージョン15.0以降)はリボンに「開発」を表示させるのに手間がかかりますが、いずれもバーコードを作成することは可能です。
最初にリボン内に「開発」のタブを表示させる必要があります。
「ファイル」→「オプション」から「リボンのユーザー設定」を選択し、「メインタブ」にある「開発」にチェックを入れます。
開発タブを使って空のエクセルシートにバーコードのサンプルを作成します。
「開発」→「挿入」と進み、「コントロールの選択」ボックスが表示されたら「Microsoft BarCode Control 16.0」を選択してOKをクリックします。
カーソルが十字になるので、シートの好きな場所に大きさを決めます。
表示されたサンプルバーコードを右クリックし、「Microsoft BarCode Control 16.0のオブジェクト」→「プロパティ」と進みます。
ここでバーコードの種類を選択します。
再度先ほどのプロパティからValueに数値を入力して完成です。
このように在庫管理に欠かせない存在となっているバーコードまで作成できるエクセルは、優れたツールと言えますが、デメリットも存在します。
次の章で詳しく解説していきます。
エクセルで在庫管理するメリット・デメリット
在庫管理表やバーコードが作成できるエクセルにはメリットが多くありますが、近年の在庫管理システムの進化によりデメリットも目立つようになってきました。
メリット
これまで在庫管理を手書きで行ってきたという企業なら、エクセルを導入することで作業効率がアップするでしょう。
さらに、エクセルで在庫管理を行う最大のメリットは導入費用が安いことです。
社内のパソコンに標準搭載されている場合などは、新たに導入するための費用が必要ないためコストを削減することができます。
デメリット
エクセルはパソコンを使用して行う在庫管理ではあるものの、表に入力するのは人間であるので人的ミスが発生しやすいというデメリットがあります。
入力以外にも在庫数を数える際の数え間違いなども生じます。
在庫管理システムのメリット・デメリット
エクセルと比較して在庫システムを使うことでどのようなメリット、デメリットが発生するかも見ていきましょう。
メリット
在庫管理システムの場合はバーコードやQRコードの読み取りこそ手動にせよ、数値の計測やデータ入力のほとんどの作業が自動で行われるため、人的ミスが非常に少なくなります。
自動化のおかげで大幅に時間が短縮されるため、人件費が削減できるため結果的に在庫管理にかかるコストが削減できます。
デメリット
様々な作業を効率化できる在庫管理システムですが、エクセルと比較して導入コストが高いというデメリットがあります。
また、リアルタイムでのデータ反映を行うためにはインターネットの環境が整っている必要があります。
キャムマックスはエクセルよりも在庫管理がしやすい
中小企業のために開発された一元管理システム「キャムマックス」は、在庫管理機能も充実しています。
キャムマックスの在庫管理は、スマホやハンディターミナルによるバーコードの読み取りが可能で導入も簡単です。また、倉庫や店舗など複数の拠点でリアルタイムのトラッキングを行うことができます。
棚卸機能もついているため作業もスムーズですし、もちろん外部の倉庫管理と連携することも可能です。
在庫管理システムの導入をお考えなら、ぜひ一度キャムマックスまでご相談ください。
この記事を書いた人
下川 貴一朗
証券会社、外資・内資系コンサルティングファーム、プライベート・エクイティ・ファンドを経て、2020年10月より取締役CFOとして参画。 マーケティング・営業活動強化のため新たにマーケティング部門を設立し、自ら責任者として精力的に活動している。