売上管理ソフトおすすめ3選|エクセル管理のデメリットと解決策
売上管理をエクセルで続ける事に限界を感じていませんか?
手作業でのデータ入力ミス、ファイルの肥大化による作業遅延、複数人での管理の難しさ…。日々の業務でこうした課題に直面している企業も少なくありません。
売上データの正確な管理は企業の成長に直結する重要な業務ですが、エクセル管理では非効率な点が多くミスも避けられないのが現状です。
本記事ではエクセル管理の問題点を明確にした上で、よりスピーディーで正確な売上管理を実現する『売上管理ソフト』の導入メリットや選び方、具体的なおすすめソフトを詳しく解説します。
目次
売上管理の目的を達成するには
売上管理の目的は、売上を確実に回収して企業の収益につなげることだけでなく、売上目標を達成できているのかどうかを確認したり、状況によっては軌道修正を図るなどの施策を検討することです。
売上情報の把握
売上を管理するためには日々の売上データを把握しなければなりませんから、データを集めるところから始まります。
企業によっては週次や月次別に売上を集計する他、規模が大きければ部門や事業別に集計する場合もあります。
売上目標の達成率把握
ただ日々の売上をまとめているだけでは売上管理の目的は達成されないため、集めたデータをもとにどれくらい目標に対して達成できているのかの達成率を計算します。
売上目標が達成できていれば問題ありませんが、達成率が芳しくない、もしくは全く達成できていないという状況であればすぐに対応する必要があります。
売上目標達成に向けた施策
売上管理の目的の中でも大切なのが、目標に達していない原因を突き止め、達成できるような施策を打っていくことです。
商品によっては季節要因が大きいものもありますが、前年同期比で売上が落ち込んでいるようなら何か別の原因がある可能性が高いはずです。
売上データによる分析であらゆる可能性を探っていきます。
このような売上管理の目的を達成するためには、売上データのリアルタイムな把握や分析が重要です。
その手段として、今回ご紹介していく売上管理ソフトが最適です。
エクセルによる売上管理の問題点
上記のように売上管理は企業の成長のカギを握る大切な業務ですが、多くの企業ではこの売上管理をエクセルで行っているのが現状です。
業務の効率化を考えた時、エクセルで売上管理を行うには以下のような問題があります。
他ソフトとの連携が難しい
エクセルは単独で売上管理を行うことはできても、他の販売管理や会計ソフトと連携することができません。
売上管理表のデータをCSV形式で取り込めるソフトもありますが、入力した数値が連動して動くというような形ではなく、入力して取り込む作業が必要となります。
結果として担当者が地道にデータを集めて入力するしか方法がありません。
人的ミスが発生しやすい
エクセルで作成した売上管理表はどうしても人が数値を入力せざるを得ないため、ミスが発生しがちです。
また仮に正しい数値を入力したとしても、アクシデントで消えてしまうということが無いわけではありません。
ストレージを圧迫する
エクセルの売上管理表に入力されるデータが増えれば増えるほど容量が大きくなってしまい、コンピュータの保存領域を占領していきます。
また、エクセルのデータサイズが大きくなると、なかなか開かなかったりフリーズするなどの問題も発生します。
売上管理ソフトとは?
売上管理ソフトとは、企業が売上データを効率的に管理するためのソフトウェアのことです。
売上データの収集・分析・追跡・報告などの機能を持ち、営業チームや経営者などが売上業績を把握したり、統制したりするために使用されます。
項目 | エクセル管理 | 売上管理ソフト |
---|---|---|
データ入力の手間 | 手作業が必要で時間がかかる、複数人での同時編集ができない | 自動入力・自動集計で効率的 |
ヒューマンエラーの発生 | 手入力のためミスが起こりやすい | システムがデータを処理、ミスを削減 |
データ共有のしやすさ | ローカルネットワークにてファイル共有、ホストPCが必要 | クラウド型ならインターネット環境があればリアルタイムで共有可能 |
データ分析 | 関数やピボットテーブルの作成が必要 | グラフやレポートが自動作成される |
他システムとの連携 | 手動でデータをインポート・エクスポート | 会計・在庫管理システムとスムーズに連携(API連携・CSV連携など) |
セキュリティ | ローカル管理のため、PCの故障や誤操作でデータが消失するリスクあり | クラウド型なら自動バックアップがあり、セキュリティ対策も万全 |
処理性能 | データ量が増えると処理が重くなる | 大量のデータでもスムーズに管理可能 |
売上管理ソフトのタイプ
売上管理ソフトの種類は、大きく以下の3種類に分けられます。
汎用型
汎用型の売上管理ソフトとは、業界や業態を問わず、幅広く導入できるタイプです。
基本機能には汎用性の高いものが揃えられています。
売上管理ソフト側の機能に業務を合わせなくてはならない部分も出てくる可能性がありますが、オプション機能の追加やカスタマイズなどでシステムを業務に合わせることもできます。
汎用型を導入することで、費用と導入までにかかるリードタイムを抑えることが可能です。
業界特化型
業界特化型の売上管理ソフトとは、医療業界やECなど、特定の業界に特化したタイプです。
業界に特定の商習慣が反映されているため、痒い所に手が届くのがメリットです。
自社が属する業界向けに売上管理ソフトがリリースされている場合は、まず、業界特化型の中から選定すると良いでしょう。
中小企業向け
中小企業向けの売上管理ソフトとは、規模が比較的、小さな企業や個人事業主などの利用が想定されたタイプです。ITリテラシーの低い従業員でも使いこなせるものが多いでしょう。
機能数が絞られたシンプルなものが多く、料金も低額から利用できます。
売上管理ソフトを初めて利用する企業にも向いています。
ただ、将来的に事業拡大が見込まれている場合は、あまり機能がシンプル過ぎるものだと、機能などが不足してしまう恐れがあります。
売上管理ソフト導入のメリット
エクセルによる売上管理の問題点を解決できるのが売上管理ソフトです。導入のメリットをご紹介します。
業務の効率化
エクセルによる売上管理表では人が数値を入力することからどうしても人的ミスが出てしまいますが、売上管理ソフトなら自動で数値を取得するため、その心配がありません。
また、見積書や請求書なども自動で完成するため、わざわざ作成する必要がありません。
人の手で行う作業量も減るため無駄な時間を極力抑えられ、業務の効率が大幅に上がります。
数字の可視化
エクセルによる売上管理表の場合、決められた週や月の期限後にしっかりと数値を入力し終えていないとグラフを作成することができませんし、グラフの作成も担当者の仕事です。
さらにグラフやレポートを作成しても、それを見せる手段は印刷もしくはメールになってしまいます。
その点、売上管理ソフトの場合は、自動またはワンクリックでその時点のグラフやレポートを確認できるのが特徴です。アクセス権限があれば自分のPCから確認することができますし、週や月の途中でも問題なく見ることができます。
業務の属人化や不正を防ぐ
エクセルだとどうしても担当者に責任が生じるため、他の人には触らせたくないという意識が働きがちです。
このことが逆に属人化につながり、企業の大切な経営情報を不正に使用するケースも出てしまいます。
売上管理ソフトなら簡単に操作できますし、操作の履歴も確認できるため、属人化を防ぐことができます。
売上管理ソフトの選び方
エクセルの問題点を解決できる売上管理ソフトですが、それならば何でも良いかというとそうはいきません。売上管理ソフトにも様々な種類や機能があるからです。
売上管理ソフトの選び方を確認していきましょう。
自社に必要な機能があるか
現状で自社が売上管理に関して抱えている課題を明らかにし、これを解消できるような機能が搭載されている売上管理ソフトを選ぶ必要があります。
たとえば、煩雑な取引プロセスを効率化したければ、売上管理機能だけでなく、注文管理や請求書作成、支払い処理などを備えたシステムを導入する必要がありますし、売無駄な仕入れコストや廃棄コストを削減したい場合は、既存の在庫管理システムと連携できるものを選び、在庫量の最適化を自動化すべきでしょう。
自社に必要な機能があるかは、必ずチェックする必要があります。
既存のソフトと連携できるか
現在販売管理や顧客管理ソフトなどを使用しているという場合、新たに導入する売上管理ソフトと連携できるのかどうかは重要なポイントです。
連携できないと、結局その部分を補うために人力が必要となり、余計な時間がかかりますしミスも発生しやすくなります。
予算に見合っているか
初期費用・運用費用を予算内に収めることはもちろん、実際に導入した後で高い費用対効果が見込めるものを選びましょう。
忘れてはいけないのが、導入や運用時のサポートサービスの利用料金です。料金内で対応してもらえるのか、別に契約が必要なのかを確認してください。
操作のしやすさ
どんなに多機能であっても、使いこなせなければ利用されなくなってしまいます。
直感的に操作できるか、目的のタスクをこなすために少ない操作数で済むかといった、操作のしやすさも重要なポイントです。
デモ画面を見せてもらうほか、実際に現場の担当者が操作性を確認できるよう、トライアルを利用すると良いでしょう。
クラウドかどうか
これは売上管理ソフトを選ぶ上でかなり重要なポイントです。
クラウド型の売上管理ソフトは、インターネットとPC、スマホ、タブレットなどの端末があれば利用できるサービスです。
インストール型のソフトは、自社でメンテナンスやアップデートを行う必要がありますし、オフィス内の決まったPCからしか利用できません。
一方クラウド型の場合はベンダー側でメンテナンスを行いますし、ネット環境さえあればどこからでも利用できるのが特徴です。
売上管理に限らずあらゆるソフトにおいてクラウド型のものが主流となりつつあるのが現状です。
【厳選】中小企業向け売上管理ソフト3選
最後に、特に中小企業に利用をおすすめしたい売上管理ソフトを3点ご紹介いたします。
人的リソースが不足しがちな中小企業の業務効率化に大きく貢献してくれるはずです。
キャムマックス
キャムマックスは、厳密には売上管理ソフトではなく、中小企業向けのクラウド型統合基幹業務システム(ERP)です。有形商材を扱う企業の業務を効率化するさまざまな機能が搭載されており、その一つに売上管理があります。
あらゆるチャネルから取り込まれた受注データがチャネルごとに処理され、キャムマックス内で売上データとして一元化されます。
売上管理機能では、見積管理や受注管理、出荷管理、売上管理、請求管理、入金管理などが可能です。
販売管理のほか、購買管理、EC管理、店舗管理、経費精算、財務会計、生産管理、WMS&在庫管理などの機能を搭載しています。
キャムマックスについて詳しくは、こちらのページをご覧ください。
SKit FLEXi
SKit FLEXi もクラウド型の統合基幹業務システム(ERP)で、NTTデータセキスイシステムズが提供しています。
販売・仕入・在庫管理、会計、情報分析の各機能で構成されており、販売管理機能としては、販売管理機能では、標準機能に加えて「ロット管理」「承認ワークフロー」「輸入管理(外貨対応)」の各機能をオプションで付けることが可能。さらに、個社ごとの要件はカスタマイズで叶えてくれます。
オプションサービスとして、「請求書発行代行サービス」と「FAX自動配信サービス」も用意されています。
楽商
楽商は、株式会社日本システムテクノロジーが提供する販売管理システムで、売上管理機能も備えられています。運用形態は、オンプレミスとクラウドから希望に合うものを選べます。
1997年のリリース開始後、1,000社以上の導入実績を持ち、顧客からのフィードバックを元に、バージョンアップを重ねてきたといいます。医療機器メーカー・卸業向けや自動車販売業向け、ユニフォーム販売代理店向けなど、業界別に14種類のシリーズが用意されています。
売上管理のほか、主な機能として、受注管理、売掛管理、請求管理、入金管理、発注管理、仕入管理、買掛管理、支払管理、在庫管理の各機能が搭載されています。
『キャムマックス』なら売上管理だけでなく業務全体を一元化できる
キャムマックスは売上管理はもちろんのこと、販売管理や購買管理、在庫管理、財務会計などをまとめることができるクラウド型システムです。
全部ひとまとめに含まれているため、既存ソフトとの連携を心配する必要もありません。
誰でも簡単に操作できるように作られているため、導入すればすぐに活躍します。
売上管理をクラウド型システムで行いたいという企業様は、ぜひ一度ご相談ください。
FAQ(よくある質問)
Q1. 売上管理ソフトとはどのようなものですか?
A:売上管理ソフトは、売上データの収集や分析、レポート作成、請求管理などの機能を備えているシステムです。手作業による入力ミスを防ぎながらリアルタイムで経営状況を可視化できます。
Q2. エクセルで売上管理を続けるのと、専用のソフトでは何が違いますか?
A:エクセルを使った売上管理では、データの手入力が必要であり、管理も煩雑になりがちです。一方、売上管理ソフトでは入力業務や計算を自動化できるだけでなく、リアルタイムでデータを更新・共有できます。
Q3. 売上管理ソフトを導入するメリットは?
A:業務の効率化と正確性の向上が期待できます。また、見積書や請求書の作成機能を備えたソフトや連携可能なシステムであれば、関連業務もスムーズに行えます。さらに、売上データの分析や顧客ごとのデータなども活用できます。
Q4. 売上管理ソフトはどのような企業におすすめですか?
A:売上データの管理を効率化したいすべての企業に適していますが、特にエクセル管理に限界を感じている企業や複数の拠点・チームで売上データを共有する必要がある企業に最適です。
Q5. クラウド型とオンプレミス型の違いは何ですか?どちらを選ぶべきですか?
A:クラウド型は、インターネット環境があればどこからでもアクセス可能で、初期コストを抑えられる点が魅力です。一方、オンプレミス型は社内サーバーにインストールして使用するため、より強固なセキュリティを確保できます。ただし導入や運用のコストがかかるため、慎重な検討が必要です。
Q6. すでに使っている会計ソフトや在庫管理システムと連携できますか?
A:多くの売上管理ソフトは会計ソフトや在庫管理システムとの連携機能が備わっています。特にクラウド型の場合、APIを利用して他のシステムとスムーズにデータを連携できるものが多いです。ただし、連携方法はソフトによって異なるため導入前に必ず確認しましょう。
この記事を書いた人
下川 貴一朗
証券会社、外資・内資系コンサルティングファーム、プライベート・エクイティ・ファンドを経て、2020年10月より取締役CFOとして参画。 マーケティング・営業活動強化のため新たにマーケティング部門を設立し、自ら責任者として精力的に活動している。