購買管理システムとは?おすすめの機能やメリットもご紹介
購買管理システムって何?購買管理はすでにやっているから必要ないのでは?といった経営者も多いようです。
一方で、システムを導入するかどうかで差がつく時代となっていることも否定できません。
そこで、こちらの記事では購買管理システムのメリットや機能をご紹介します。
目次
購買管理システムとは
通常、企業が購買する品物には、原材料などの直接材と事務用品などの間接材があるため、購買活動が全く無いという企業は存在しないでしょう。
購買管理システムとは、企業のビジネスにおいて行われる、こうした購買活動をサポートするシステムです。
製造業や建設業などであれば、原材料や部品を仕入れて形にしたものを販売するため、購買管理業務についてイメージしやすいかもしれません。
原材料の仕入れから製造を行い、納品するというタイムスケジュールの中で、適切な価格で遅れや欠品が生じないように調整するのが購買管理の大まかな業務です。
ものづくりを行わない場合でも、企業は事務用品など様々な購買が日々必要となります。
こうした企業の購買管理をコンピュータ等を使ってまとめて行うことができるのが、購買管理システムなのです。
購買管理システムは、ソフトウェアとして販売されているものもありますが、近年のトレンドはクラウドによるSaaSのサービスです。
クラウド購買管理システムなら、PC、スマホ、タブレットなどの端末とインターネットを接続できる環境があれば、どこでも利用できます。
購買管理システム導入のメリット
すでにエクセルなどを利用してマニュアルで購買管理を行っているので、システムは不要なのでは?とお考えの方や、購買管理システムを導入すると何が違うの?と疑問に思っている方のため、より詳しくメリットをご紹介します。
購買管理業務の効率化
購買管理システムを活用することで発注の自動化や在庫管理、仕入価格の管理などを業務効率化を図ることができます。
従来の発注管理業務の場合、発注が必要になれば担当者が手作業で発注書を作成し、承認を得てから依頼を行わないといけませんでした。
しかし、購買管理システムを導入することで、注文書をシステム上で作成し承認フローを設定することができます。
これにより、従業員はシステムにアクセスするだけで発注書の作成から承認までのプロセスを自動化できます。
その結果、発注書作成や承認の手間が省かれ、従業員の負担が軽減されます。
さらに、注文ミスが減るなどメリットもあります。
また、在庫管理の効率化にもつながります。
在庫管理は正確な在庫数を把握することが必要不可欠ですが、手作業で行うと在庫数に誤りが生じたり、時間がかかってしまうことがあります。
しかし、購買管理システムの自動発注機能を利用することで、在庫数が一定数以下になった場合に自動的に発注が行われるため、在庫切れのリスクを軽減することができます。
以上のように、購買管理システムを利用すれば、業務の正確性や手作業にかかる時間や手間の削減、従業員の負担軽減など、多くのメリットが得られます。
また、効率化により業務のスピードや品質の向上が期待できます。
ペーパーレス化の実現
購買管理システムを導入することで、発注書や受領書をシステム上で作成し保存できるようになります。
それにより、紙の使用を削減し紙によるデータの保管や管理が不要になり業務の効率化やコスト削減につながります。
さらに紙の使用を削減し、紛失や情報漏洩のリスクを低減することができます。
購買業務の不正を防げる
取引先や仕入先との間で金銭のやりとりが多い購買管理は、企業の中でも不正が生まれやすい業務です。
購買管理システムを導入することでデータが共有され、オープンな環境となるため、結果として内部統制強化につながります。
購買管理システムのフローと機能
システムには通常、購買管理の業務に沿った機能が備わっていますが、ベンダーによって多少異なります。
ここでは、一般的な購買管理フローに沿ったシステムの機能を見ていきます。
購買計画
この機能は、企業の将来的な需要や生産計画に合わせて、必要な原材料や消耗品を計画的に調達することを目的としています。購買計画を策定することで、在庫の過剰や不足を防止し、調達コストを削減し、生産性を向上することができます。また、計画の進捗状況をリアルタイムで把握し、必要に応じて調整することができます。
取引契約
契約書を作成・管理する機能です。取引先との契約内容を明確にすることで、トラブルを未然に防止することができます。契約期間、納品条件、支払条件など、重要な情報を一元管理し、必要なときにすばやくアクセスできるため、スムーズな取引につながります。
仕入先管理
商品や原料を調達する上で、信頼性の高い仕入先との取引は重要です。そこで、仕入先の情報を一元管理することで、仕入先選定の効率化や取引履歴の把握が容易になります。また、取引先とのコミュニケーションもスムーズに行うことができます。仕入先情報の正確性や更新も管理し、誤った情報によるトラブルを未然に防ぐことができます。
発注管理
発注業務に関する機能であり、発注書の作成や管理を行います。
これにより、発注に関する業務プロセスの効率化や誤りの回避が可能になります
また、発注情報を一元管理することで重複発注や数量誤りや納期の遅延などのトラブルを回避することができます。
価格管理
商品や仕入先の価格情報を管理する機能です。
具体的には、価格情報の登録や更新、価格変動の履歴管理、価格変動の予測などが含まれます。
この機能により、企業は仕入価格の変動に対応し適切な価格交渉を行うことができます。
また、価格変動による利益率の変化を予測し商品価格を適切に設定することができます。
品質管理
仕入先ごとに品質基準を設定し、商品の品質を管理するための機能です。
商品の品質を一元的に管理し、入荷時に品質検査を行い、不良品を取り扱うことができます。
品質情報は一元的に管理されるため、不良品の原因追究や不良品発生回数の把握が容易になります。
これにより、不良品の発生を未然に防止することができ品質向上につながります。
納期管理
企業が購買品を迅速かつ正確に入手するために重要な役割を果たします。
この機能を利用することで、購買担当者は注文状況を把握し、注文スケジュールを作成することができます。
具体的には、納期の設定や納期遅延時のアラート機能、納期管理に関する情報の集計・分析機能、納期の変更履歴を管理する機能などがあります。
これらの機能により、購買担当者は納期に関するリスクを低減し、企業の生産計画に正確に対応することができます。
検収支払管理
仕入れた商品やサービスが正しく納品されたかを確認し、支払処理を行うための機能です。
購買担当者は納品書や請求書などの書類を確認して、納品された商品やサービスが発注書通りに届いたかを確認します。
その後、請求書と納品書を照らし合わせ、請求金額が正しいかどうかを確認して支払処理を行います。
この機能により、誤った請求を回避し支払処理をスムーズに行うことができます。
購買管理システムの選び方
購買管理システムを導入する際には、様々な選択肢とポイントがあります。
例えば、パッケージ製品とフリーソフトの違いや、クラウド型とオンプレミス型の違い、自社の業務に合ったシステムの選定、費用についての把握などがあります。これらの要素を理解した上で、自社に最適なシステムを選択することがスムーズな業務運営につながるでしょう。
パッケージ製品とフリーソフトの違い
パッケージ製品とは、購買管理システムがあらかじめ開発されており、製品として販売されているものを指します。
一方、フリーソフトとは無料で入手できるソフトウェアのことを指します。
しかし、パッケージ製品とフリーソフトは、提供される機能やサポートの質やセキュリティの保証などが異なります。
・パッケージ製品
専門的な機能が多く、豊富な機能を備えているためより高度な業務にも対応できます。
さらに、メーカーが提供するサポートがあるためトラブルが発生しても迅速に対応できる環境が整っています。
・フリーソフト
基本的な機能のみが実装されることが多く、小規模な業務には十分に対応できます。
また、開発者コミュニティが存在する場合が多く、インハウスのエンジニアがいれば細かいカスタマイズができるものもあります。
ただし、セキュリティの問題や機能面での不安定な要素があるため、使用前に慎重に検討する必要があります。
クラウド型とオンプレミス型の違い
購買管理システムは、クラウド型とオンプレミス型の2種類があります。
クラウド型はインターネット経由でシステムを利用する方法で、オンプレミス型は自社内にシステムを導入する方法です。
クラウド型
システムの導入・運用に必要なハードウェアやソフトウェアを自社で用意する必要がないため、導入コストが低く迅速にシステムを導入することができます。
また、システムの更新やメンテナンスが自動的に行われるため、導入後の管理負担が少なくなるというメリットがあります。
一方、インターネット接続が必要であるため、通信回線の安定した環境が必要であり、セキュリティのリスクにも十分注意する必要があります。
オンプレミス型
自社内にシステムを導入する方式で通信回線に依存しないため、セキュリティの確保が容易です。
また、大規模なデータを扱う場合には高速な処理が可能です。
ただし、システムの導入・保守にはハードウェアやソフトウェアのインストールが必要であり、システムの更新やメンテナンスにも対応する必要があります。
適用する方式は企業の業務環境やニーズによって異なります。クラウド型は迅速にシステムを導入することができ、小規模な業務に適しています。一方、オンプレミス型は大規模な業務に対応したり、セキュリティに厳しい環境で利用することに向いています。適切な方式を選択するには、自社の業務環境や予算を考慮することが大切です。
自社の業務に合ったシステムを選ぶ
購買管理システムの選択は、自社の業務環境に合わせて行う必要があります。
例えば、複数の拠点での購買業務を管理する場合はデータ共有が可能なシステムが必要になります。
また、海外からの購入品を管理する場合には、国際的な取引に対応したシステムを選択することが必要です。
また、業務フローに合わせてシステムをカスタマイズすることができる場合もあります。
さらに、他のシステムとの連携が必要な場合もあります。
適切な購買管理システムの選択は、ワークフローに合わせたものであることが重要です。
費用について知っておくべきこと
購買管理システムを導入する際には、様々な費用がかかります。
例えば、システム導入に必要なハードウェアやソフトウェア、カスタマイズや業務分析などの導入費用、そして、システムの保守費用やサポート費用、利用料金などのランニングコストが含まれます。
ただし、これらの費用は導入するシステムの規模や機能、導入方式などによって異なるため、事前に検討することが重要です。
おすすめの購買管理システム
このように、業務の効率をアップする購買管理システムですが、その特徴や機能は様々です。ここでは、おすすめの購買管理システムをご紹介します。
キャムマックス
キャムマックスは、中小企業のためのクラウドERPとしてリリースされた一元管理システムです。
クラウド型なので、端末とインターネット環境があればどこからでも、仕入を含めた購買業務、販売から財務会計まですべて連携して管理できます。
キャムマックスの購買管理機能の特徴は、在庫基準値の設定で必要発注数を自動計算、バーコードリーダーによる受け入れ、輸入商品に対応、インターネットバンキング連携などです。
楽々ProcurementII
多様な品目や業務フローに対応した購買管理システムパッケージです。購買管理業務の効率化、コスト削減、内部統制強化、見える化などが実現できます。注文書や見積書の自動作成機能や、発注時に自動で在庫照会を行う機能など、作業の省力化に役立つ機能が豊富に揃っています。
PROCURESUITE
購買業務を一元化し、効率的な購買プロセスを実現するクラウド型のソリューションです。ワークフロー機能により、承認フローを設定することができ、契約書管理や発注管理などの業務をスムーズに進めることができます。また、見積書の比較や自動請求書作成機能など、作業の省力化にも対応しています。
Enterprise Commerce
BtoB向けのeコマースプラットフォームであり、購買管理機能も提供しています。発注業務の自動化や、請求書の電子化など、購買業務の効率化に役立ちます。また、カスタマイズ性に優れており、企業に合わせた業務フローに柔軟に対応できます。
EPCUS
購買・調達業務をクラウド上で行うことができるサービスです。承認ルートの設定や、請求書の電子化、在庫管理機能などが備わっています。また、グローバル展開に対応した多言語対応や、セキュリティ機能の強化など、多彩な機能が用意されています。
楽楽販売
購買管理に必要な機能をそろえたシンプルな購買管理システムです。クラウドベースで、いつでもどこでも購買業務ができます。また、価格もリーズナブルで、中小企業にも導入しやすいとされています。
クラウドERP ZAC
購買管理機能において、ワークフロー機能が標準で搭載されており、申請・承認を必要とする設定ができることが特徴です。また、見積・注文・受領・請求・支払といった購買業務のフローに沿って情報を管理することができ、在庫管理や物流管理など他のERP機能との連携も可能です。
RFQクラウド
発注前に必要な見積もり依頼のプロセスを一元管理することができるクラウド型のシステムです。RFQの申請から回答までのフローをスムーズに行うことができ、購入したい商品に対して適切な見積もりを取得することができます。また、データ分析により、供給者や商品の評価も行えます。
LinDo購買
ERPや業務パッケージでは対応が見送られがちな、企業毎に特色が強い業務に特化して開発されたソリューションです。バイヤー、サプライヤー間のやり取りをサプライヤーポータルを通じたコミュニケーションに変革し、多角的な価格査定・評価によるコスト削減のPDCAを実現することができます。
QCD調達購買管理クラウド|newji
製造業の課題をデジタルに最適化する目的で作られた、調達購買管理システムで、AIが活用されています。
アイテム情報の流出を防ぐための秘密保持契約書の簡単作成、不適合処理に関する原因調査と対策管理、サンプル台帳による管理、継続取引先の評価等が特徴です。
登録アイテム数10件までは無料で利用できるため、個人事業など小規模ビジネス向きです。
SOLOEL
間接材購買プロセスに特化した購買管理システムです。
購買管理を行う側とサプライヤをつなげる役割を持ち、一度の操作でまとめて処理できるのが特徴です。
オプションで購買業務代行も利用できるため、従来は社内の購買担当者が行っていた多くの業務を省くことができます。
SAP Business ByDesign
SAPは、ERPといえばSAPというくらい世界で名の知られたドイツの会社です。中小企業向けにはこちらのSAP Business ByDesignが提供されています。
従業員にセルフサービスで調達を行わせることで、時間やコストの短縮を図ります。そのため、システムの月額料金にユーザー一人当たりのコストが加算されていく仕組みです。
Coupa(クーパ)
Coupaはアメリカ発祥の購買システムで、見積から支払いまでまとめて管理できるだけでなく、取引先から支払いの進捗状況までも確認できてしまうのが特徴です。
コミュニティ・インテリジェンスが導入されているため、サプライヤーを公平に評価できます。
FutureStage
日立システムズが開発した製造・流通・小売業の経営課題を解決するための基幹業務システムです。
購買、生産、販売、在庫などの管理機能が、業種に合わせた内容で提供されています。
導入型とクラウド型がありますが、クラウド型の場合は製造業と卸売業向けとなっています。
購買管理システム導入で業務を効率化!
購買管理システムを比較することで、自社に合ったシステムを選ぶことができます。
具体的には、
・自社の業務に合った機能が含まれているか?
・費用についての透明性
・カスタマイズのしやすさ
・サポートサービスの品質
など、多くの観点から比較することが大切です。
また、導入前にデモやトライアルを活用することで、実際の使い心地や機能性を試すことができます。自社に適した購買管理システムを導入することで、業務の効率化やコスト削減などの効果が期待できます。
キャムマックスは購買管理機能が備わったERPシステムです
購買管理システムだけの導入よりも、販売管理・在庫管理・財務会計など全てを一元管理できるERPシステムを導入する方がさらに業務効率化につながります。
全てのデータはひとつの画面で確認、更新ができます。
キャムマックスでは上記の機能が全て利用できて月額7万円~利用できるクラウドサービスです。
この記事を書いた人
下川 貴一朗
証券会社、外資・内資系コンサルティングファーム、プライベート・エクイティ・ファンドを経て、2020年10月より取締役CFOとして参画。 マーケティング・営業活動強化のため新たにマーケティング部門を設立し、自ら責任者として精力的に活動している。