食品業界のERPシステムならクラウド!必要性や機能など
クラウドERP

食品業界のERPシステムならクラウド!必要性や機能など

近年ERPシステムのニーズが高まっていますが、食品業界でERPを導入する場合、特別な機能が必要となるケースが多いです。
品質管理の徹底、廃棄ロスの削減といった食品業界特有のソリューションとなるクラウドERPに必要な機能とは何かをまとめました。
業務を改善したい食品業者は必見です。

食品業界特有の現状や課題


製造業、加工業、小売業などの中でも食品を扱う事業の場合には、他の事業と比較して以下のような特徴があります。


  • 品質管理の厳重化
  • 廃棄ロスの削減
  • 消費者嗜好への対応


食品は人が身体に取り込む商品であるという大きな特徴から、安全でなければなりません。そのためには製造中はもちろんのこと、保存や輸送中も徹底した品質管理が要求されます。


この徹底した品質管理を行うことで発生する消費期限切れの廃棄ロスを解決するには、需要の予測が非常に重要です。


また、食品は消費者の嗜好が変わりやすいとも言われており、こうしたニーズに対応するために市場予測などを活用した新製品の開発も行っていく必要があります。


日本国内で廃棄される食品の約半数が食品業界によるものと言われており、これを減らしていくことが食品業界の大きな課題と言えるでしょう。

食品業界におけるクラウドERPの必要性


食品業界特有の現状を解決する際に最大のポイントとなるのが、リアルタイムのトレーサビリティです。


仮に食品業界で業務管理を手作業で行っていれば、この時代のスピーディーなビジネスからは取り残されてしまうと言えるでしょう。


その点でリアルタイムのデータ活用ができるクラウド型のERPシステムが必要となるわけです。


また、既に生産管理販売管理、物流などにシステムを導入している場合でも、それぞれのシステムがうまく連携されていないとタイムロスが生じます。


ERPは、これらの業務管理をひとまとめにして1か所で管理できるシステムなので、さらに無駄な時間を短縮することができます。



食品業界向けクラウドERPの必要な機能


このような特徴のある食品業界でクラウドERPを導入する場合に必要な機能を確認していきます。


データの一元管理


一元管理機能は、様々な業務のデータをまとめて管理できる機能です。

それまでバラバラに管理されていた生産、販売、在庫、会計等のデータを一連の流れとして確認することができるため、タイムロスが発生せず人材や資金も効率よく活用することができます。


在庫管理


食品を扱う場合に重要な管理の一つが在庫管理です。

在庫管理機能の中でも所要量を自動計算することで倉庫にある在庫数や仕入数を把握し、リアルタイムでデータが反映されることでロスを減らします。


消費・賞味期限管理


通常の在庫管理に加えて食品業界では主に生鮮食品なら消費期限、加工食品なら賞味期限を厳守することが重要課題です。

マニュアルで管理されている場合には人的ミスが発生するなど大損害につながるケースも否定できません。

クラウドERPではこれらの消費・賞味期限を自動でチェックできるため、作業時間を大幅に削減できるだけでなく、安全性を高めることが可能です。


ロット管理


食品在庫の場合消費・賞味期限管理の観点から、先に届くもしくは製造した商品を先に出すことが必須です。

ロット管理機能は、同じ日や同じ条件で製造された商品をまとめて管理できる機能で、一つ一つ日付などを入力する手間が省けます。

また、仮に食品に何らかの問題が発生した場合でも、ロット管理が行われていれば全部の商品を確認するのではなく、同じロットの在庫だけを確認するだけで済みます。


不定貫商品・定貫商品の管理


食品の中でもパッケージあたりの個数や重量が決まっているような商品は良いですが、生鮮食品などで商品によって重さが異なる不定貫商品は管理も難しくなります。

これらをシステム上で区別できれば、管理がしやすくなります。



食品業界でクラウドERPを導入するメリット


食品業界には様々な課題がありますが、クラウドERPを導入することで解決できることは多いです。導入する主なメリットを見ていきましょう。


属人化防止


食品業界の中でも割合の高い中小企業では特に、業務の属人化が多いと言われています。

マニュアル作業が多いことに加え、長年の勘に頼って行われている業務も少なくありません。

この場合は担当者がいないと作業が進まないということになりますが、クラウドERPなら担当者に限らず業務を進めることが可能です。


データの見える化


食品業界に限らず属人化と同時に問題となるのが不正です。

担当者だけがデータを把握している場合には不正が発生しやすくなりますが、クラウドERPなら担当者に限らず一目で状況を把握できるため、内部統制の役目も果たします。

また、経営幹部が必要な時に必要な情報を確認できることで意思決定もスピーディーに行うことができるようになります。


リアルタイムの反映


在庫や生産量などを従業員が計算している場合その作業だけでもかかる時間が、いくつもの業務間でやり取りが発生するとさらに増えていきます。

食品業界ではご法度のタイムロスを防ぐためには、リアルタイムでデータを確認できるクラウドERPが最適です。


コスト削減


食品業界は特に人手不足が深刻と言われていますが、そもそも人材をそれほど必要としなくなれば解決します。

クラウドERPは、それまで人の手で時間をかけて行っていた業務を自動でやってくれるシステムです。

従来必要としていた時間が削減されて人手を他の作業に回すことができ、人件費が大幅に削減できます。

また、食品業界の課題と言われる食品ロスの問題も、適切な在庫量の予測や管理を行うことで改善されます。


業務効率の向上


クラウドERPを活用することで、これまで工数のかかっていた管理業務を迅速かつ効果的に行えるようになります。

具体的には受発注管理や在庫・倉庫管理のなどで手作業データ入力から解放されたり、販売管理、財務会計も一つのシステムで管理できるので二重入力がなくなります。

その効果としてヒューマンエラーも減少し、より価値の高い業務に時間を費やすことができるようになります。

食品業界・製造業におけるERPの導入事例


日清食品が基幹系システムクラウド『SAP ERP 6.0』に移行


2019年、日清食品ホールディングスは主要なシステムをクラウドに移行しました。

この移行では、マイクロソフトのクラウドサービスである「Microsoft Azure」と、欧州SAP社製のERPシステム「SAP ERP 6.0」が導入されました。

これにより、財務/管理会計、販売管理、生産計画、在庫/購買管理などの多くの機能を活用できるようになりました。


このシステム移行の背景には、古いシステムのオペレーティングシステムやデータベースソフトのサポートが切れることが迫っていたことや、災害対策(DR)の向上が必要であるという課題がありました。

また、BI(ビジネスインテリジェンス・企業に蓄積された大量なデータを収集して分析し、その結果を可視化する仕組み。)の性能不足があったことなどが挙げられています。


参考:システム移行は「即席」ではなく入念に、日清食品HDが明かすクラウドERP導入の鉄則:日経クロステック Active


ハウス食品がNECのERPソリューションを活用


ハウス食品グループは、市場の変動に素早く適応し、食品の無駄を減らすための取り組みを強化しています。

この取り組みの一環として、NECのAI技術を活用した「需給最適化プラットフォーム」を採用し、需要の予測を高度化しています。

このプラットフォームは、生産から在庫管理までのプロセスをスムーズに統合し、食品のロスを削減する新たなステップに進んでいます。


さらに、NECのERPソリューションである「FlexProcess」を活用することで精密な需給と生産計画の策定が可能となります。

客観的なデータに基づく需要予測が可能となり、さらなる精度向上が期待されます。


今後、ハウス食品グループは需給最適化プラットフォームを中心に、サプライチェーン全体の効率化と最適化を進めていく予定であり、具体的な目標として欠品件数の50%削減、製品・資材廃棄ロスの10%削減、管理業務工数の60%削減を目指しています。


参考:ハウス食品グループの挑戦 ~AIを活用した需要予測で「市場変動への迅速な対応」と「食品ロス削減」の二兎を追え!

導入を検討する際のステップと注意点


システム選定のポイント


ERPシステムを選定する際に押さえておくべき要点はいくつかあります。


業界適合性


業界に特有のニーズに対応できるかどうかを確認しましょう。

食品、アパレルそれぞれ管理方法が違います。

食品業界では在庫管理やロット管理だけでなく、賞味期限管理(品質管理)などが必要になりますし、アパレルでは商品規格が多いことや、店舗・EC・倉庫の在庫間移動などにも対応していることが望ましいなど、業界独自の要件に対応できるかがポイントです。


拡張性


将来の成長に合わせてシステムを柔軟に拡張できるかどうかを考慮しましょう。

新たな部門や拠点を追加する際に、システムが対応可能であることが重要です。

オンプレミスであれば自由に設計し自社の業務フローに合わせてカスタマイズできますが、クラウドサービスの場合カスタマイズができない製品がほとんどです。

そのため、どんな機能があるのかしっかりと確認して選びましょう。


システムインテグレーション


他のシステムとのスムーズなデータ連携が可能かどうかも重要なポイントです。

API連携ができればシステムが複数あったとしてもスムーズにデータの受け渡しができます。

サプライチェーン、財務、CRMなどとのシームレスな連携が実現できるERPが望ましいです。


導入コストとROIの最適化


ROI(Return On Investment)は、投資した資金に対して得られた利益を示す指標です。

ERPの導入には、ランニングコストとしてシステム利用料やライセンス使用料などがかかるだけでなく、導入前、導入後のトレーニング費用なども含めておきましょう。


トレーニングとサポート


ERPを導入した後、トレーニングとサポートの体制を確保することは、システムの効果的な活用に非常に重要です。


サポートの活用


ベンダーが提供するサポート体制やヘルプデスクの対応を確認しましょう。

導入後に発生する問題に迅速に対応できるサポートの充実度が大切です。


アップデートと改善


システムのアップデートや機能の改善が継続的に行われているかどうかも重要です。

クラウドベースのERPシステムでは、新しい機能の追加やセキュリティの向上が頻繁に行われます。

そのうえで、ERPの導入によって業務プロセスが改善できたか、コストが削減できたか、生産性が向上したかなどで評価しましょう。


食品業界におすすめのクラウドERPならキャムマックス



このように食品業界にこそ導入したいクラウドERPですが、どれを導入すればよいかわからないという場合におすすめしたいのがキャムマックスです。

キャムマックスは中小企業のために開発されたERPシステムで、食品業界に対応した機能ももちろん搭載されています。

クラウドERPシステムは費用が心配という企業様も月額7万円から導入できますし、難しい操作は必要なく、ITなどの専門家も不要です。




クラウドERPを導入してみたいとお考えの食品業者様はぜひ一度キャムマックスまでご相談ください。


その他の食品業界向けERP


食品業(食品卸業・食品製造業)に最適『スーパーカクテルCore FOODs』


食品業(食品卸業・食品製造業)に最適『スーパーカクテルCore FOODs』


『スーパーカクテルCore FOODs』は、食品業界向けの包括的なERPシステムです。このERPは、特に食品卸業や食品製造業を対象に開発され、業界固有のニーズや要件に合わせた機能を提供しています。在庫管理、製造プロセスの最適化、受発注プロセスの効率化など、食品業界の複雑な業務に対応しています。


このERPでは、食品業界が直面する課題を解決するために、情報の円滑な共有とリアルタイムなデータの視覚化を実現しています。在庫の追跡、品質管理、サプライチェーンの最適化、業界規制への適合など、重要な業務プロセスを包括的に管理します。これにより、企業は効率的な運用とビジネスプロセスの最適化を実現し、競争力を向上させることが可能です。


食品卸業様向け販売管理システム 『FOODMASTER』


 食品卸業様向け販売管理システム 『FOODMASTER』


『FOODMASTER』は、食品卸業向けの専用の販売管理システムです。このシステムは、受注から出荷、配送までのプロセスをスムーズにサポートし、食品業界独自の課題に効果的に対処します。注文受け付け、在庫管理、配送ルートの最適化など、食品卸業において不可欠な機能が一元化されています。


また、このシステムの大きな強みは、受注から配送までのプロセスが円滑に連携する点にあります。受注処理の自動化や在庫情報のリアルタイムな更新により、正確で迅速な業務遂行を可能にします。また、商品の流通状況や配送スケジュールの可視化によって、食品卸業の業務プロセスを最適化し、顧客満足度向上に貢献します。

食品業界向けソリューション『mcframe』


食品業界向けソリューション『mcframe』


『mcframe』は、食品業界向けの包括的なERPソリューションです。このERPは、食品業界の多様な要求に対応するために開発され、在庫管理、受注処理、生産管理、販売管理、会計などのさまざまな機能を一元統合で提供。データの統合管理とカスタマイズの柔軟性にも優れています。


また、最も魅力的な点は、食品業界のさまざまな業務領域(在庫管理や生産管理、原価管理など)を1つのシステムで包括できることです。これにより、企業はデータの一元管理と情報共有を容易に行い、スピーディな意思決定をサポートできます。さらに、カスタマイズの柔軟性によって、企業独自の要件に合わせたERP環境を構築することが可能です。

この記事を書いた人

ライター
株式会社キャム 取締役COO

下川 貴一朗

証券会社、外資・内資系コンサルティングファーム、プライベート・エクイティ・ファンドを経て、2020年10月より取締役CFOとして参画。 マーケティング・営業活動強化のため新たにマーケティング部門を設立し、自ら責任者として精力的に活動している。

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